今日は以前投稿したグアムでの初クロスカントリー飛行について、Part2を投稿したいと思います。
撮影していた記録を編集して、別に記録していたICレコーダーの音声データと時間を合わせて
実際に操縦している時にヘッドセットから聞こえてくる無線交信も聞けるように動画を編集しました。
LiveATCのサイトでグアムタワーの無線交信はインターネットでもほぼリアルタイムで聞けますが、サイパン・テニアン・ロタにグアムセンターの交信は実際に飛んでみないと聞けませんので、同じようにクロスカントリーを予定されている方や英語のATCを勉強中の方の一助になればと思い作ってみました。
主に以下の点をまとめています。
・Guamの無線交信(Ramp Control、Ground Control、Agana Tower、Departure/Approachとの交信)
・TOC(トップオブクライム)、TOD(トップオブディセント)、CruiseやDescent、Before Landing Check List使用
・飛行中のNavigation Logへの記録と次のCheck Point までの所要時間算出
・Enroute上で遭遇したTraffic(他機)
・Tinianで遭遇したDeparture Traffic
・Rotaへ着陸するときの交信(Rota Radioに天気を教えてもらい、10NM付近で最初の発信、以後はNon-Tower空港の交信要領に沿って通信)
・クロスカントリー飛行訓練中、一番の反省点であったアンダーソン空軍基地の出発経路付近の航行。これは駄目な点でした。
・それぞれの空港への着陸など
3時間まるまるの動画だと長すぎるので30分のダイジェスト版にして要所要所だけをまとめています。
はじめてなもので、最初にGroundにContactする時、「VFR To Saipan , Request Radar Following(サイパンへ有視界飛行で飛んでいくので、ちょっとレーダーで自分の周りに航空機が近づかないか見てほしいです)」と要求すべきところを
していなかったり。(これを離陸前にグランドにお願いしておくと、離陸してからもGuam DepartureにGround Controlから引き継いでくれて、Radar Followingを継続して受けられます)
1回、クロスカントリーに行くだけで本当に多くのことが勉強になります。クロスカントリー飛行が訓練の集大成だと言われる所以が良く分かります。
そう言えば飛行中に不思議な体験がありました。
この辺りは旧日本海軍航空隊の部隊や米軍部隊が駐留・戦闘を行っていた第2次世界大戦中の激戦地だったとのこと。駐留民間人に多数の犠牲者も出ましたし、迎撃・要撃戦などの空中戦もあったことでしょう。
70年前にここに日本人がいて、この同じ空域で軍用機を飛ばしていたということ、突然同じ場所を自分が飛行機を操縦して飛んでいるということが物凄く非現実的じゃないかと。よく分からない不思議な気分になりました。
自分で飛行訓練を選んでグアムに来た訳ですが、なんとも言えない非現実感というか感覚というか。グアムから飛び上がる前までは、こんな気持ちは一切無かったのに。
いざ巡航高度になってざっと海や空だけの景色を見渡していたら不意に浮かび上がってきました。
1度考えてしまうと止まらなくなり、じゃああの海の底にはいったいどれだけの機体や亡くなられた人達が沈んでいるんだろう。当時の操縦士の方々は、どんなことを思って、この一面大海原と空しか見えないところを飛んでいたのだろうと。戦闘があったとは思えないほど景色の良いところなのになぁ。
考えても仕方の無いことだと気づいたあと、自分に出来ることといえば、海に向かって心の中で静かに手を合わせて一礼することだけでした。お疲れさまでした。どうか安らかにお眠りくださいと。
訓練中の不思議な出来事でした。
さてさて、今日はここまで。