自己紹介

なぜ飛行機のライセンスを取得したいのか

2016/12/06

きっかけは恐らく父にあります。

幼少のころ、わたしは電車が大好きな子供でした。地元の駅で電車を降りる度に最後尾の車掌さんが乗る車両が来るまでホームを離れず、ここぞとばかりに手を振って離れる電車と車掌を見送っていたものでした。手を振り返してくれるのが嬉しくてしょうがなかった気がします。そんなある日、父が家にパソコンを買い置きました。起動音が「ポーンっ!」だったか「ゾォーンっ」だったか、いわゆるマッキントッシュのパソコンです。今にして思えば、当時デスクトップのパソコンは相当に高価だったはず。父よいくら費やした?

しばらくすると、黒い棒がマウスの横に置かれていました。ジョイスティックというそうです。そう、シェイカーのついていない初代サイドワインダージョイスティックです。その後Microsoft Combat Flight Simulatorに小学生男児が熱中するまでにそう時間は掛かりませんでした。今思えばあまり教育的によろしく無い気がしますが、ヨーロッパ戦線でドッグファイトやら編隊飛行の練習やら着陸の練習やらを繰り返してました。たぶん今やっても面白いと思うほど出来の良いソフトだったと思います。

さらに父には厚木基地がまだ航空祭Wingsをやっていた時期に連れていかれました。そこでは基地に向かう乗っていたバスの車窓から今は亡きロック岩崎氏が駆るピッツS2Bが地面すれすれを飛び、同じくスホーイ31を駆るユルギス・カイリス氏が超低空でのロープ斬りをやってのけ、空中で止まりそうなほどのスピードでゆっくりと飛ぶホーネットのスローフライト。最後はホークアイを中心にダイヤモンド型の大編隊を組んでローパスをしていく軍用機の群れ。今はアメリカでしか見られないようなエアショーを見たのが一番のインパクトになっていました。その後の愛読書はエリア88とファントム無頼に。もう完全に電車好きから飛行機好きの少年へとコンバートされていました笑

ここがパイロットになれればなりたい(笑)と思い始めた原点です。

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しかし時もたてば人間おのずと自分の性格や行動を理解してくるもの。勉強が得意になれなかった(今も嫌いです)私は普通の高校に進み、普通の大学に進みサークル活動にいそしみ、普通の小さな出版会社へ就職していました。せめてもの抵抗というか航空学生を受験しようと考えた時は地本で説明を受けましたが、自衛隊という組織の中でたぶんやっていけないだろうと悟り、諦めたのが1回目。それならばと防衛大学校を受験してみたら、めちゃくちゃ難しくてあえなく不合格となったのが2回目。ここで航空大学校の存在を知っていれば良かったんですが、その存在を初めて知ったのは大学生活中盤、就職氷河期全盛の大学2年次でした。もちろんそんな学校があったのか!?と飛びつきましたが、学力では相当受験勉強をしなければならず、自社養成も論外。もし通えたとしても飛行機の訓練には莫大な学費が必要になることを知りました。そんなお金すぐに用意は出来ません。さらに今から目指すなら最悪卒業してから1年ほど次の受験日まで受験勉強期間という無職期間が発生することになります。学費は借金するにしても、もし受験に失敗したら普通の就職先を探そうとしても履歴書に無職期間があれば普通の会社で採用されるのは難しい時代。この時3回目の諦めを決めました。

飛行機好きは趣味の範囲に留めよう。とはいえ、なにやら自分のお金だけでライセンスを取る人たちがいるらしい。どんな感じかと調べてみたら1千数百万円を自費や借金でまなかいフルライセンスを取って航空会社に就職しました!とか、海外で訓練したのち海外エアラインに就職して経験を積んで日本のエアラインに転職しました!とか、自家用と飛行時間だけライセンスを取って、それ以降は試験に受かれば航空会社が訓練費を補助してくれるB制度でエアラインに入りました!というもの。ほお、自家用だけとな。海外なら安く取れる?100万円で取れるの?!100万円なら手が届くかなあ?(当時は1ドル79円)そこで私は考えました。

「自家用だけ取る、あとはそれから考える」

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かなり怖い考えなのですが、行動を起こすことを決めました。やるなら早いほうが良いと。それならば働きながら航空関係の知識が得られる職場で、働きながら資格を取りたいと考えました。まったく関係の無い現職にいるよりは、航空関係の会社に転職した方が何かを得られやすいと考えたらからです。ああ、怖い。もっとよく考えてと過去の自分に言いたい。インターネットで現在求人が無いかを探し、かつ今の自分の職歴でも応募できる所。職歴が1年しか無いのは押し切るしかないと。(おいおい)

嬉しいことに1回目の航空関係企業の転職志望先で採用していただけることが決まりました。これが大きな転機になったと思います。ただ内定通知の届いた2日後に東日本大震災が発生しました。今でも鮮明に覚えています。当時内定取り消しがたくさん出ました。幸い、そのまま入社出来ましたが日本はどうなってしまうんだろうと不安に駆られながら入社しました。採用していただいた会社ではたくさんのことを経験させて頂き、航空関係の知識を得ることが出来ました。ここでパイロットには資格と別に無線の資格が必要と知りました。

航空特殊無線技士の資格を取り、勉強したのち航空無線通信士の国家資格を取得しました。お金を掛けたくなかったので講習会は受講せず、独学で勉強してから試験に臨みました。3回落ちて4回目で合格です。1回の受験料が9080円なので全部で36320円で取得した計算です。そもそも1回で取っていれば9080円で済むのに。勉強嫌いここに極まれりです。

そして今度はその資格をもとに、別の航空関係企業に転職しました。本格的に運航に携わることになり、知りえる知識の幅と経験は一気に広がりました。

かなり長くなりましたがまとめると

1 飛行機良いな、パイロットなろうかな

2 勉強嫌い、やっぱパイロットいいや

3 お金無いなりに会社員のままちょこちょこパイロットになろう

そして現在に至る、という感じです。

何がどう参考になるかは分かりませんが、次回はいよいよ飛行訓練に向けた動きについて

投稿したいと思います。

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