フライトスクールのご尽力のお陰でもう次のチェックライド日程が決まりました。大変感謝いたします。
次回は12月初旬ごろです。
引き続き技量維持、口頭試験対策に力を入れて頑張りたいと思います。チェックリストやFAR AIM、Airplane Flying HandbookやAirman Knowledge Handbookを自室に広げて読み漁っています。
あと、フライトログのチェックをしていたら、なんとフライトタイムの修正が1件発見されました!
芋づる式に5フライト分のフライトタイム修正を余儀なくされましたが、なんとかなりました。こればっかりは連続で連なっている記録なので気を付けないと、1度間違えると芋づる式に修正地獄です。
さてさて、前回の渡航では今まで出来ていたShort Field Landing(短距離着陸)の課目がAiming Point(接地点)に接地することが出来なかったため、その他の課目が良かった(自分ではまだ甘い部分が多々あると思うのですが)のにも関わらず、飛行日和にチェックライド試験を受けられずに帰国するという結果に終わってしまいました。
今まで出来ていたものが出来なくなるのですから、以前の復習が足りていないということでしょう。反省点です。
自分の復習も兼ねて、今日は今までに投稿した飛行訓練時の動画を過去のものからご紹介していきたいと思います。
飛行訓練にご興味のある方もよかったらどうぞご覧になっていってくださいまし。
音量注意で!よろしくお願いします。
グアム空港周辺の景色(音量注意!)
次はグアム国際空港、RUNWAY 6R(Right)へのShort Field Landing(短距離着陸)
この時の動画は2016年10月に渡航した際の飛行訓練動画ですが、Airspeed Indicatorがちゃんと61ノット近辺を指示しています。フレアをかけると55ノット前後まで下がっていく流れも良し。しかもちゃんとAiming Pointに設置しています。なぜかこれが前回の渡航で出来なかったのです。悔しい。。。まあ確かにその後は空港の場周経路を何度も回ってTouch&Goする訓練よりも、AirworkやSaipanへのCross Country Flightばかりやっていたので、しばらく練習していないがために感覚も忘れていたのかもしれません。そもそも前回の渡航の時、アプローチスピード10ノットも勘違いして70ノットで進入しているのにノーマルアプローチと一緒と思い込み、気づきもしなかったのは大いなる反省点です。
お次はこちら。グアムへ転校する前、カリフォルニアで訓練を受けていた時のAirworkの1つ、失速の回復訓練です。
パワーオフストールは着陸進入中、何かのきっかけで低速にも関わらず機首が上がってしまい、不意のStall(失速)に入ってしまった際の回復動作の訓練です。実際は回復動作に余裕が持てる高度で失速をシミュレートし、そこから適切に回復する練習を繰り返し行います。別名アプローチストールとも言います。
Power-Off Stalls(KWVI Over Monteray-Bay Mission Alt 2,000Ft)
こちらはパワーオンストールです。離陸上昇中の小型機はどの型式もエンジンは全開です。しかしある一定の上昇角を超える(Critical Angle)、または失速速度に達するとエンジン全開でも機体は失速します。離陸上昇中に何らかの原因で機首を上げすぎて失速してしまった時の回復動作の訓練です。
Power-On Stalls(KWVI Over Mos-Landing Mission Alt 2,000Ft)
プロペラ機は機首を上げると、実は機体はいくつかの原因があって必ず左へ回りつつ、左へ向こうとしつつ、左へ傾きます。これをまとめてLeft Turning Tendency(レフトターニングテンデンシー)と呼んでいます。なので右ラダーを適度にあてて修正する必要があります。
失速速度近くで通常旋回する時に使う主翼の補助翼(エルロン)で姿勢を戻そうと使いすぎてしまうと、補助翼の空気抵抗が大きすぎてスピンに入る恐れがあるので使いません。ラダーだけです。使っても操縦桿が気持ち傾いたかなぐらいの修正ぐらいです。
それにしても、左へ回りつつ、向こうとしつつ、傾く?なにやら日本語としておかしいような気がしますが本当にこうなります。なぜか。
原因はプロペラの回転です。プロペラが回転していることで3つの現象が起きているからです。
1つ目は「P-Factor」です。これは機首上げするとすぐに左へ向こうとする効果が出てきます。プロペラについている羽の角度が機首が上がることで風との角度が変わります。すると時計まわりをしているプロペラはコックピットから見て頂上から右90度方向へ進んだあたりで、もっとも推力を生み出す角度になります。逆に左側は通常よりも弱くなるので、右の推力が増した機体は推力の強まった右側が前へ押し出されて機首を左へ向こうとするのです。これはプロペラについている羽の角度が、座学の最初はイメージできなくて何を言っているのか分からなかった記憶があります。
2つ目はプロペラが時計まわりに回転しているから胴体に反時計まわりの反作用「トルク」がかかるからです。小型機はアメリカ製の飛行機のプロペラだとコックピットから見て時計まわりに回るよう設計され、ヨーロッパ製の飛行機のプロペラは半時計まわりに回るよう設計されています。機種によって一部違いはあるのですが、ほとんど大体そうらしいです。お国柄といいますか、設計思想の違いなのでしょうかね?不思議なものです。
訓練しているのはアメリカ製の飛行機なので、エンジンがプロペラを時計まわりに回すのです。すると機体自体は反時計回りの方向へ回ろうとする反作用、つまり反時計まわりにRoll(回転)させようとする力である「トルク」がかかるのです。これが左へ回ろうとする原因の1つ。
3つ目は今ちょうど時計まわりにプロペラが回ってるお話をしたのに関連しています。プロペラは飛行機の推進力を生むためのものです。ということは機体前方の空気をプロペラでキャッチして推進力に変えたら、プロペラより後ろへ空気を思い切り流します。プロペラ後流が生まれます。この時プロペラは時計まわりに回るということは、プロペラの後流も実は時計回りに機体の胴体付近の回りをスパイラルしながら、回転しながら後ろへ流れていく(Spiral Slip Stream)のですが、胴体の後ろには垂直尾翼があります。
時計まわりに回転しているプロペラ後流が垂直尾翼の左側に当たります。
すると飛行機のしっぽである垂直尾翼を左から押されたら右へ押し流されます。もちろんしっぽである垂直尾翼は機体胴体を通してエンジンのある機首と一直線につながっています。つまりしっぽが右へ押し流されることで頭は左へ向いてしまうのです。これが左へ向こうとする原因の3つ目。
ただ、エンジンの回転が高い時は効果抜群ですけど、エンジンの回転が低い時は幾分弱くなります。なのでこれはパワーオフストールよりもパワーオンストールの時やエンジン全開の時に顕著に効果が出てくるのです。
その他にも機首が下がる時に左に向く作用もあります。お話するにはある法則を知っておかないといけません。「Gyro Scopic Precession」と言います。ジャイロ スコピック プレセッションとはなんのことか?
まずジャイロの意味を簡単にご説明すると、回っている物体は姿勢を崩しずらくなる現象って言えばいいのでしょうか。
自転車のタイヤは止まっていると、右か左に倒れてしまいますけど、回転していると右にも左にも倒れず立ったまま進んでいきますよね?いずれ倒れてしまうなんて時もその回転が弱まってしまって、フラフラしながら、ついには倒れるのです。たとえ斜めになっていても自転車のタイヤは回転していればその場で円を描くように進んでいき、タイヤ回転の弱まりとともに描いていた円の内側へパタンと倒れるはずです。
つまりジャイロとは自分で回転している物体って、実は回転していると姿勢を乱されにくくなるという現象を表しています。
プレセッションは歳差運動、回転している物体の1点に力を加えると回転方向に90度進んだ点に同じ力が加わりますよという運動のことです。
これら2つの意味合いを合わせて読むと「自分で回転している物体は実は姿勢を乱されにくいけども回転している時にある1点に力を加えられると、回転の進行方向側へ90度進んだ同じような場所になぜか同じ力が加わるという謎パワー」のことを示しています。いや、謎パワーというより、そういう現象なんですけども。
これを「Gyro Scopic Precession」というそうです。文章で読むと、とても分かりづらいと思います。なので
今、動画を撮ってみました。
Gyro Scopic Precession Explanation
少々分かりづらいかもしれませんが、CD-Rの中心から頂上にある指で押した点と、時計まわりの回転方向に90度、つまりCD-Rの右側部分にも指で押した力と同じような力が加わっています。指で押した瞬間、CD-Rの右側も前へ前進しています。
これをプロペラと考えてみてください。分かりやすくするために動画では上の点を押していますが、プロペラにも同じような作用が起きます。
小型単発プロペラ機はこのように左へ傾く傾向があるので、右ラダーを使う機会が多いのです。
さて、お次の飛行訓練動画はこちら。
実際にSeagull(かもめ)とニアミスした際の動画です。最接近する5秒前ぐらいに視界に捉えたのですが、本当に一瞬でした。
次は夜間訓練の時の動画です。
Non-Tower空港などでは場所によってはパイロットが自分で灯りをつけられる空港があります。この装置のことをPCL(Pilot-Controlled Lighting)といいます。訓練空港についていたので、利用したことがあります。教官いわく、最終進入のTurning Final中に光らせると綺麗だよということで、実際こんな感じでした。
グアムでの無線交信動画編です。
※最初は控えめにして、音声が入るところから分かりやすいように少しボリュームを上げています。音量にはご注意ください。
こちらは初めてグアムからサイパン、テニアン、ロタへクロスカントリー飛行を行った時の動画です。同じようにクロカンを予定されている訓練生の方や英語のATCを勉強中の方の一助になればと思い作ってみました。結構長いですので要点を以下にまとめてみました。
・Guamの無線交信(Ramp Control、Ground Control、Agana Tower、Departure/Approachとの交信)
・TOC(トップオブクライム)、TOD(トップオブディセント)、CruiseやDescent、Before Landing Check List使用
・飛行中のNavigation Logへの記録と次のCheck Point までの所要時間算出
・Enroute上で遭遇したTraffic(他機)
・Tinianで遭遇したDeparture Traffic
・Rotaへ着陸するときの交信(Rota Radioに天気を教えてもらい、10NM付近で最初の発信、以後はNon-Tower空港の交信要領に沿って通信)
・クロスカントリー飛行訓練中、一番の反省点であったアンダーソン空軍基地の出発経路付近の航行。これは駄目な点でした。
・それぞれの空港への着陸など
3時間まるまるの動画だと長すぎるので30分のダイジェスト版にして要所要所だけをまとめています。
こちらは初めての単独(ソロ)クロスカントリー飛行の時の動画です。
1人で3時間かけてグアムからサイパン、テニアン、ロタ、グアムと飛行した時のものです。
Radio交信例の参考になるかと思います。
そして、こちらが夜間クロスカントリー飛行訓練。夜間飛行の怖さが今でも思い出されます。本当に良い経験になりました。
途中の洋上は真っ暗でした、カメラが捉えられる光量に足りなかったみたいでほとんど真っ暗。なので離陸着陸メインの動画です。
グアム飛行訓練中の唯一、離陸キャンセルにいたった出来事の動画です。離陸しようと思ったら急に天候悪化したため滑走路を通って引き返しました。はじめての無線交信でしたが、こういう時は焦らず落ち着いて対処することの重要性を思い知らされました。
その日は単独飛行を軽く1時間、チェックライドに必要なRequirementを満たすために飛ぶ予定でした。
教官から頂いた単独飛行許可のEndorsement(署名)の横風制限は10ノットまで。これを超えたため離陸中止にしたのです。
風だけでなく、戻る途中で前が見えなくなる程の大雨(スコール)になりましたけども。
事前のATISでは正対風で9ノットだったのに、滑走路直前でのタワー通報値はガスト14ノットの横風成分12ノット。
さらに天候急激に悪化、戻ってランプインしたら滝のような大雨で濡れながらSecure Airplaneをしていました。中止して良かった。
その時の動画がこちら。(10分程度です)
いよいよチェックライド試験に向けての飛行訓練総まとめです。
ローカルフライトを行い、AirworkやGround Referrence Manuever、Emergencyの練習を続けます。
こちらはPart1とPart2、45度急旋回やバンクを入れながらのPower-On/Off Stallの練習など盛りだくさんです。
Forward Slipを失敗したりもしましたね。もう2度とパワー入れたままForward Slipはしまい。
今までの飛行訓練動画の総まとめは以上です。
明日、明後日は台風21号がやってきますねえ。
皆さま早めの備えと、警戒を。どうぞお気をつけて。
23日(月)は長靴と雨合羽、それと風速25mとかならヘルメットも考えようかな。
でも、今の時点で10月23日03時の風速、40mの最大瞬間55m出しているのですが
直撃は免れそうもないしなぁ。
(出典:気象庁ホームページより)
もし通勤時間に吹いていたら、本気で会社行くの迷うなあ。装甲車があれば安全に通勤できるのに(笑)
さてさて、今日はここまで。