Airworthiness directives(耐空性改善命令) 座学 訓練前準備 飛行訓練

FAA、ライカミングのレシプロエンジンについてAD(Airworthiness directives=耐空性改善命令)を発表する

昨日、何の気なしにFAAのトップページを見ていたら

最新のAD(Airworthiness directives=耐空性改善命令)リストのトップに、「Lycoming」の文字を見つけました。

これは車のリコールと同じようなもので、該当する部品は点検、整備、または修理、交換など。いずれかの対応を取ることを法的に義務付けられているのです。ただ1つの違いとしては、飛行機でADで指定された作業を行っていない航空機は飛べないことになっています。

ですが、ここに「Lycoming」の文字を見つけた時、とても嫌な予感がしました。

今、訓練で借りているCessna 172 P SkyhawkのエンジンはAvco Lycoming製のエンジンだからです。

早速見てみることにしました。

(出典:USDT Federal Aviation Administration)

 

読み進めていくと、どうやらレシプロエンジンのシリンダーの中で動くピストンにつながっているコネクティングロッド部分に不具合があるようです。この不具合にあたり、交換作業が必要になった場合の大まかな作業費用や工期の試算が資料には組み込まれていました。

USの領域にある778のエンジンが該当し、それらがこのADに従うにあたり必要となるコストの案内のようです。

点検にかかる作業時間は15時間、1時間あたり85ドル。パーツコストが150ドル。などなど。

US Operatorsの費用が110万8,650ドル。。。。ん?

ADのApplicability(該当するもの)にはライカミングのサービスブリテンの表1にのってる全てのエンジンとありますが

778?う~んよく分かりません。そんな少ないのだろうか。読み進めてみます。

 

このうちの(e)には具体的にこのような事象であるとありました。

(e)不安全な状態について

いくつかの避けられなかったエンジン停止または飛行中のエンジン停止の報告によってこのADは(発出が)試みられた。私たちはコネクティングロッドのフェイラーを避けるために、このADを発出した。不安全な状態について、もし正常化されなければ避けることのできないエンジン不調やトータルエンジンパワーの喪失、飛行中のシャットダウン、または飛行機を喪失する可能性がある。

相当な不具合なのでしょう。今全世界でライカミングのレシプロエンジンを積んでいる機体は、セスナ社のベストセラー機であるセスナをはじめ、たくさん飛行しています。

とりあえずライカミングのサイトに飛んでサービスブリテンを確認してみるとやはりMSB(Mandatory Service Bulletain)扱いでした。相当ヤバイのでしょう。ちなみにMandatoryは強制、義務的なという意味で使用されています。

サービス・ブリテンとは、メーカーが発行する作業指示書です。これにMandatoryがついているものは義務があります。

Mandatoryのついたサービス・ブリテンはADとなります。

FAAに承認してもらってから発行されるので、法的に行わなければなりません。

(出典:LYCOMING MSB No.632B

ライカミングのMSBを読み進めていくと、コネクティングロッドについての写真とアッセンブリー(構造部)について図がありました。このように写真つきで作業に必要な工程が細かく案内されているのです。

 

さて、問題は今訓練で借りている機体のエンジンは「Avco Lycoming O-320-D2J」エンジンです。

これが該当するのかどうかですが、MSBの一番下のページにTable1というページがありました。

 

いやあ、嫌な予感の時ほどよく当たるものです。O-320-D2Jと記載がありました。あとは訓練機に積んであるのが該当していないことを祈るばかりです。

まさかチェックライド受けようかという時期にこんなADが出るなんて。

おまけにグアム島周辺へ某国はICBMを威嚇発射しようとしてますし

試験官は8月の予定がつかず、9月の予定もペンディング(保留)という回答でしたし

TSAの更新登録もなかなか進みません。

この上、ADまで該当して機体が止まろうものならお手上げです。せめて今受けている学科試験の有効期限が来年の4月末なので、それまでに受けられたら御の字なのですが。

まあ、積んでいるエンジンのシリアルNoによっては該当しないこともあるので、これはフライトスクールさんに該当するのかどうか問い合わせないとなんですが。

チェックライドの日程が決まったら聞いてみることにします。

うーいつになったらライセンスを得ることが出来るのか。

しかし、こうした情報には敏感にアンテナを張り巡らせて次なるチェックライドを虎視眈々と準備している次第です。

さてさて、今日はここまで。

 

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