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Flight Computer(航法計算盤)Part4 -TAS(True Air Speed)真対気速度の求め方について-

2017/01/08

今日は前回投稿したFlight Computer(航法計算盤)Part3の続き、でTAS(True Air Speed)の求め方について紹介したいと思います。

あまり時間が無いので簡潔に箇条書きしてみました。

・TASってなに? ⇒ 航空機と外を流れてる大気がどのくらい速度差があるか、相対的な速度を示してる。航法で使う。

・具体的には? ⇒ それが出ると実際の風速と合わせれば対地速度(Ground Speed=GS)が出るから航法の速度として使える

・ほう、なかなか重要だ。してどうやって求めるの? ⇒ ケーキを作るのに材料がいるように、計算の下地を揃えてください

TAS(True Air Speed)のレシピ

1 気圧高度 前に説明した海面の高さの圧を基本とした仮の値、標準大気が29.92インチ。そこからどの位ずれてるか求める

2 外気温 飛ぶ前なら予報の数字を使い、飛んでるなら飛行機についてる外気温度計を見る。

3 航法計算盤を用意する

 

例)計器を見ると5100フィートでグアム島の上を飛んでます。グアムのTowerがQNH30.02と言ってます。外気温度計は20度を指してます。速度計は95ノットを示してます。

ではTASはいくらでしょう?

 

まず、TASを出すには1番の気圧高度を出します。出すんですけど、ケーキには下ごしらえが必要なように、まず気圧高度を下ごしらえしながら求めなければいけません。というより気圧高度どうやって求められるのかなのですが。

まず気圧高度を計算する時は現在飛んでいる場所のQNH(高度計規正値)が標準大気(29.92インチ)からどのくらいずれてるか確認します。高度ゼロ(海面上)の標準大気圧として国際的に仮値として扱われている数字が29.92インチです。

QNH(高度計規正値)は、その場所で観測される大気圧のことです。

今はグアムで30.02インチ観測してますよーと言われているので、付近を飛んでいる航空機は皆、高度計に30.02インチをセットします。

他の航空機と違う数字をセットしたら高度計がずれて表示されて、実際の高度とは違うところを飛んでるかもしれず危険です。なので共通の値として30.02インチをセットすれば、ずれません。これでちゃんと他の航空機や地表から間隔を正確に取ることが出来ます。

30.02だと標準大気29.92から0.1インチずれてますね。

0.1インチの気圧差がどのくらいのずれかというと100フィートのずれです。

前の投稿「空気密度について」で紹介したのですが、この数字4桁のうち小数点第2位は数字1つにつき10フィートの違いを表します。そして小数点第1位なら100フィートの違いを、1の位は1000フィートの違いを表します。

なので30.02インチを飛んでいる航空機は計器高度が5100フィートなら、100フィート引くと気圧高度5000フィートと出すことが出来ます。そして外気温度計は20度を指しています。

ここでようやくレシピの材料が揃いましたのでっと

取り出したりますは、Flight Computer(航法計算盤)です。まず分かりやすくするために数字を合わせます。黒枠の10を内側と外側それぞれの数字を合わせます。こんな感じ。

これのどこ?というところですが

ここです

 

そしてよく見ると、小さな小窓が右と左についてます。TASを求めるには右の小窓を使います。

はいこれ。編集のいい加減さから性格がにじみ出ている笑

 

先の計算で気圧高度が5000フィートと出ているので、この小窓のAir Temperatureの部分の+20度を「5」に合わせます。THOUSANDS OF FEET(千の位)と書いてあるので「5」で5000を表してます。Air Temperatureはマイナスとプラスで間違えないように注意します。わたし、学科試験の時に間違えました笑 普段はそんな間違えしないのになあ、ちくしょう。。。

はいこれ。

この状態で視線を外側の数字列に向けます。

前の投稿「Flight Computer(航法計算盤)Part2」でも紹介した内側の数字列と、外側の数字列の読みです。外側が大体求めたい答えの数字列と考えてOKですね。

速度計が95ノットを指しているのが現状なので、内側の数字95に対応する外側の数字を読めば、それがTAS(True Air Speed)です。ということではいこれ。

いやあ、やっと出ました。

これがFlight Computer(航法計算盤)でTASを求める参考例です。

これに風の影響を考慮すれば、どこそこまで90マイル離れているけど、TAS100ノット/時で向かい風成分10ノットだから対地速度GSは90ノット/時だから1時間で着くなー!!とか計算できる訳です。

ようやく投稿できました。

やっぱり計算系は苦手なのか投稿が億劫になります笑

 

次回はFlight Computer(航法計算盤)Part5、Wind Direction &Correction Angle(風向と偏流補正)を投稿していくつもりですが、その前に別のを投稿するかもしれません。あしからず。

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