昨日、横浜にあるフライトシミュレーター会社「JFlight」さんのエアバスA320フライトシミュレーターに乗ってきました。
桜木町駅のすぐ近くにあるということで、地図を頼りに進むと伊勢山皇大神宮へ上る「紅葉坂」の入口あたりにありました。
駅から徒歩5分、6分といった感じでしたね。
こちら利用したい時は事前予約制となっていましたので、当日の予約で空きがあるかなとホームページから検索したらちょうど昼過ぎに空きの時間帯があり、予約して行ってきた次第です。
5分前ぐらいにお店に着いてみると、店員さんに出迎えて頂きました。
奥の方で何やらゴウンゴウンと音が。シミュレーターが常時動いている操作音なのか分かりませんが、時間になるまで店内の待合室で待つことに。何かあわただしく準備をしに部屋の中へ入って行かれました。
室内には色々とシミュレーターに関するパネル説明や、飛行機の模型などなどが展示されていました。
チェックリストなどは販売もされているようです。
よくよく見てみると、ほとんどの模型がエアバス320で統一されているようです。
待っている間にトラフィックパターンの表を見ながら、こんな風に回るんだなぁとかイメージしていました。
今回は15分のトライアルコースで3,000円のお気楽コースです。
とはいえ、ジェット旅客機のシミュレーターなんて乗ったこともなければ、操縦方法も知りません。
とりあえずコントロールホイールとスロットル、それにギアレバーだけ分かればなんとかなったりするのかな?
フラップってどこにあるんだろう?
教えてもらえるものなのだろうか?と思案していると、店員さんが準備できたようで中へ案内されました。
おお!これは凄い!
まさに旅客機のコックピットそのものです。これはめちゃくちゃ設備費高いだろうなあと第一の感想(笑)
ここに来て思い出したのですが、そうだエアバス320ってコントロールホイールじゃなくてサイドスティックで操縦するんだった。
「では左席へお座りください!」
促されて着席しました。ここからどうやって操作するのか教えて頂けるのだろうと思っていたのですが、何やら店員さんオーバーヘッドパネルや何やらを手際よく操作しています。
おお、この店員さんもしかして操縦経験者でいらっしゃるのでしょうか?
でも何か、なんだろう。一瞬頭をよぎる不安。
(もしかしてこのまま行くつもりなのだろうか?・・・)
店員さん「フライトディレクターって分かります?」
自分「はあ、まあこの画面のところですよね?」
店員さん「まだ出ては無いんですけど、それに合わせて飛んでください」
店員さん「では行きましょう!スロットルとか持ってください!」
うおお!事前説明一切皆無で始めるのですね!!!
フライトディレクターに合わせて飛ぶ、そもそもシステムは聞いたことがあってもどういう風に表示されるのか。
十字の線が出るはずなのに、PFDパネルには何も出ていません。そういうものなのでしょうか?
質問しようかと思ったけども、店員さんもう行く気マンマンで質問する隙もありません(笑)
まず少し前に出してスロットルを止めます。
次第にエンジン音が唸りを上げていますが、機体は止まったままです。これ多分店員さんどこかでブレーキ掛けているんだろうなあとか思いながら、操作系がまったく分からないので傍観しています。かろうじてスティックは持っている。
MFDパネルのNo1とNo2のエンジン回転計とおぼしき表示がほぼ同じ感じの出力になりました。
「ではスロットル前へ!」
んんんん?押し込んでいいのかこれ?どこまで?とりあえず押し込むと店員さんにTOGAと表示のある位置ぐらいまで戻されました。
TOGAって何だっけ?確かTake Off 、Go Around Poworの位置だっけ?何が何だかまったく分かりません!
なんだこの状況(笑)
そうこうしているうちにグランドロール(地上滑走)が始まりました。
(あれ?というかRotation(機首上げ)の速度って何ノットなのこれ?)
自分「あの!これ!何ノットで上げればいいっすか!?」
店員さん「自分が言いますんで!」
自分「!!!あ、はい!!!」
こういうものなのか!トライアルだからなのか!次にやる動作がやる時に右席からアナウンスされるという緊張感。
はじめて小型機の操縦訓練を受けた時以来の緊張感です。事前情報一切無しで飛ばすのって怖いんもんだと思ってるうちに
100ノット超えてきました。
セスナなら巡航速度ぐらいです。
120ノット超えました。まだ声掛かりません。
130ノット超えました。まだですね。
140ノット超えてきました。それと同時に滑走路の真ん中を意味するハーフライン3本線超えました。
そもそも上がる空港の滑走路距離、全然知りません(笑)
ていうかここどこの空港ですか?って思ってたら
「はい!引いてください!」
150ノット過ぎて、160ノット差し掛かるぐらいに合図がかかりました。
サイドスティックは感圧式で反応が敏感と聞いた覚えがあったので、ゆっくりゆっくりピッチ上げていきました。
ちょっとゆっくり過ぎるかなあ?とか思ってたら
おおおい!もう滑走路エンド切りそうだし!と、思ったところでなんとか上がりました。ちょっと短い気がします。
本当、いったいどこの空港なのだろう。ここは。
もうちょっとピッチを15度ぐらいまで上げるようにとのこと。
よくよく見たらフライトディレクターの水平と垂直に十字の黄色いクロスがPFDパネルに出ています。
なるほど離陸したら出てくる仕組みなのですね。
すると2000フィート手前ぐらいで段々と水平のバーが下りてきました。どうやら2000フィートで水平にするようなので追従しようとスティックを前に倒すと、なんだこれかなり敏感に反応する気がします!
とりあえず今度は左旋回の方向にフライトディレクターが動き始めたのでバンクを入れると、バンク角がまだ足りないとのこと。
もうちょっと足してみましたが45度バンク行きそうな景色が見えていました。旅客機ってこんなにバンク入れていいのかなぁとか思いながら。
とりあえずまた水平に戻します。ここで戻す時に気づいたのですが。PFDパネルに表示されている姿勢指示計で水平にしようと真ん中に合わせたら、機体が徐々に降下を始めました。ヴィーイヴィーイヴィーイ!!という何かの警告音が鳴り始めました。
機体を上げてください!今のは指定の高度を外れた警報です!
と店員さんの指示もあり、分かりましたとピッチを上げて高度をリカバリー。
なんでこれ水平にしてるのに下がるの?ふと速度計を見ると170ノットぐらいでした。
んんん?これじゃもしかしてパワーが足りなくて高度下がってるのか?
試しにスロットルを少し押し込んでみると、店員さんに元の位置に戻されました!!!???
(え?なんで!!)
どうやらこの設定でいいとのこと。訳が分かりません。とりあえず2000フィートをリカバーしたのでまた水平に戻す時に
もしや、と思い少し上昇ピッチ5度ぐらい残してみました。少し安定している。でもまだ上昇傾向。そういうことか!
今度は2~3度ぐらいにしてみたら水平飛行が出来ています。
そういう仕組みなのね。確か飛行訓練の座学の時に教官が大型機は水平飛行する時は少しピッチ上げ角で飛んでいると聞いたのをようやく思い出しました。
どうりで水平が維持できない訳だ。店員さんにこの点も是非教えて頂きたかったのですが、事前説明皆無の闇鍋状態です。
なんとなく分かってはいましたが聞いてみました。
「あの~もしかしてピッチ5度ぐらい上げないと水平維持できない感じですか?」
「5度ですか?いやそんなに取らなくても2、3度ぐらいで取れますよ」
はあ、そうですか。でしたら先に教えてほしかったなあ。
ダウンウィンドを飛んでいるあたりでようやく外の景色やパネルの他の部分の情報を読み取る余裕が出来てきました。
どうやらどこかの島を飛んでいるようです。順当に考えたらエアラインの訓練空港だった下地島かと思いましたが、さっき上がった島にちょっと小高い山のような場所があります。そもそも伊良部大橋とかも見えないので違うのは確定っぽいです。
下地島じゃないっぽいな。どこだろう?
ふと、ND(Navigation Display)の空港のところに4レターコードを見つけました。
(ROIG・・・ああ!石垣島かここ!!)
どうりで滑走路が短く感じられた訳です。そのままここ石垣島なんですね~なんて話しをしていたら
今からILSのZ(ズールー)アプローチで降りますからとのこと。
・・・ん?急にそんなこと言われても意味が分かりません。
とりあえずIFR持ってないんでよく分からないと伝えると、とりあえずフライトディレクターに沿って飛んでくださいとのこと。
もうほとんど姿勢維持とバンクに集中するために計器しか見てません。フライトディレクターなんか突然動き出すのでバンクとピッチ急に動かすことになり、フラフラしてしまいます。というかスロットル動いてないのに何でこの飛行機バンク入れても速度一定なんだ訳が分からん!とか思っていると
視界の端で店員さん何かをいじりました。コックピット中央のパネルです。どうやら速度と針路を表示しているようなパネルで
針路の部分を店員さんが変えると、NDの針路の黄色いサインが変わった後の針路のとこまで移動しました。
ついでに言うとフライトディレクターもそっちの方向へ移動し始めました。
ああ、そういうことか。
多分限定的なオートパイロットで、スロットルのみ自動にしてあるのでしょう。だから速度が変わらない。でも針路はダイアルを変えるとそちらの方へフライトディレクターが動き、マニュアルで持っていく形なのでしょう。
この辺の説明も皆無、説明不足にも程があるのではないだろうか。少し不満が溜まってきましたが、これが分かってしまえばこちらのものです。
店員さんが変えた針路の方へ行くということが分かってしまえば、こちらのものです。
ファイナルに乗ったところからは店員さん完全マニュアルにしたらしく、スロットル持ってくださいとのこと。
ただフレアを掛ける時、掛けたタイミングが遅かったのか結構早く着きました。
高さがあるからかなぁとか思いながら滑走している時に
「うわあ、この機体のブレーキってフットペダルなのか?スラストリバーサーってどうやってかけるんだ?」
とか思っていると店員さん、全部自分でやっている(笑)もはや何も感じません。
店員さん「はい!お疲れさまでした!」ということで15分のトライアル終了。石垣島空港のレフトパターンを1周して降りて終了です。
と、言うことで終わりました。なんだかあっという間に終わるだろうと思っていたら、飛ばし方が分からず四苦八苦していたせいか結構長く感じられました。
感想としては、せめてもう少し事前に操作系について説明をしてほしかったなあと思います。何ノットで操縦桿を引くとか、水平は何度ぐらいで保つとか。
とはいえフライトシミュレータ自体はコックピットも含め素晴らしいものでした。
また何かの機会があれば行ってみようかとも思います。航空会社の採用試験前のトレーニングでも使えるようなので、ご興味のあるフルライセンサーの方はご検討などいかがでしょう?
ここ以外のフルフライトシミュレーターだと、首都圏は羽田の穴守稲荷と品川にしか無いはずです。
帰りにみなとみらいの方まで散歩しに行くと、何やら見慣れない景色が。
おお!日本丸が帆を張っているではないですか!珍しい!!
年に何回かやっているのでしょうかね?
これは運が良かったです。多分人生で見たのは2度目ぐらいだったはず。
こんな高い所昇れるなんてすごいですね、安全帯は皆さん身に着けてましたけど、マストの上に昇りきるまではどこにも安全帯着けていなくて目を疑いました(笑)
パイロットお役立ちリンク集に今回行ったJFlightさんの他にも
都内にあるお店さんを追加しています。
上記ページ中段「◆フライトシミュレーターに乗ってみたいなら」「◆航空・パイロット関連用品の購入、技能証明申請書の購入関係など」に
Skyart JAPAN(ボーイング777-300ER実物大フライト・シミュレーター、キャビンモックアップ等)
Virtual Aerospace Japan(ボーイング737-800実物大フライト・シミュレーター)
を追加しました。次回はこの2店舗どちらかに行ってみたいと思います。
さてさて、今日はここまで。