チェックライド 飛行訓練

今回のチェックライドについて-Part4-(当日フライトチェック編)

2018/01/18

前回のチェックライド投稿からかなり期間があいてしまいましたが

今日はチェックライド当日のフライトチェックについて投稿しようと思います。

オーラル試験で手応えを感じていたので、これはいけるかなと感じ始めていました。

そして試験官のBさんはフライトに行こうとおっしゃっています。

ん?

オーラル試験中や、その前段階でもウェザーやNOTAM(Notice to airman)についての話はしていなかったはず。

でももう行こうとおっしゃってらっしゃる。

・・・・・。

これは、もしや、忘れてはいけないことを言わなくても確認しようとするか試されている?(笑)

試されていようがいまいが、飛行前に現況を必ず説明しようと思っていたので

自分:Sir, Before Begining flight, May I explain today's WX(Weather) and NOTAM to you ?

(飛行を始める前に本日の天気と航空情報をご説明させていただきます)

試験官Bさん:OK!

(OK!)

NOAAのサイトからLatest Weather、METAR、TAF。FAAのサイトからTFR(Temporary Flight Restrictions)とNOTAMを

METAR(メター)は飛行場の現在の風、視程、雲状況、気温/露点温度、高度計規正値や特記事項などを知ることが出来る気象通報式です。

TAF(タフ)はその飛行場で今後予報されている天候状況の気象通報式なので、フライト予定時刻帯がどのような天気になるかの参考にします。

TFR(ティー・エフ・アール)は一時飛行制限区域、入ったら何らかの正当な理由でも無い限り、厳罰に処されます。(ライセンスはく奪や逮捕など)

NOTAM(ノータム)は航空情報。その付近で空港施設が修理で使えなかったり、無線航法施設に変更があったり、航路付近でPJE(パラシュートジャンプ、パラジャン、スカイダイビング、空挺降下などなど)を実施していたり。色々な情報がFAA経由で発出されていますが、飛行に関係するすべてのNOTAMは事前にパイロットは知っていなければなりません。無線航法施設使おうとして、周波数あわせても工事中だと使えなかったりしますので、代替手段を考えなければいけなかったり。

 

それぞれご説明しました。以下チェックライド当日の状況です。グアム(PGUM)とテニアン(PGWT)の両方の天候を説明することで、今回のフライトが出発から到着、そしてその時間の前後の天候も含めてVFR(有視界飛行方式)による飛行が継続できる状態の実況天気、予報であるかを説明します。

こちらはAviation Weather Centerのグアム(PGUM)で観測された今までのMETAR(定時飛行場実況気象通報式)の一覧。

TAF(運航用飛行場予報用気象通報式)のチェックボックスにチェックを入れると一番新しいTAFも見ることが出来ます。

IDsの空欄をPGUMからPGWTに変えればテニアンの情報も見られるようになっています。

またMETARやTAFのデコード(解読)はNOAA(アメリカ海洋大気庁)でこちらのページに公開されています。

当日のMETARとTAFは以下の通り。

PGUM METAR 062054Z 06006KT 10SM CLR 26/24 A2984 RMK AO2 SLP096 T02560244 53012

(グアム定時飛行場気象実況通報式 協定世界時(Zulu Time)06日の20時54分観測(グアム時間は協定世界時プラス10時間のため07日の6時54分です)、風向60度方向から6ノット、視程10スタチュートマイル(法定マイル)、CLR(Sky Clear=晴天)、気温26度/露点温度24度、高度計規正値(QNH)2984、特記事項(RMK=Remark)として、AO2(Automated Observation=降水を観測できる自動ステーション(AO))のSLP(Sea Level Pressure)は1096.0hPaで最高気温は25.6度、最低気温は24.4度)

※53012が本当に分かりませんでした。これなんなんでしょう?

 

PGUM TAF 061732Z 0618/0724 08008KT P6SM VCSH FEW020

FM062200 08013KT P6SM VCSH SCT020 SCT040 SCT120

FM070100 11013KT P6SM VCSH SCT017 SCT040 BKN120

(グアムTAF(運航用飛行場予報用気象通報式)、協定世界時6日の17時32分発表、6日18時から7日24時まで、風向80度方向8ノット、視程10㎞以上、空港周辺(Vicinity=VC)でのShower Rain(にわか雨)、雲量3~4の雲(SCT=Scatter)が2,000フィート、

協定世界時6日の22時から、風向80度方向から13ノット、視程10㎞以上、空港周辺でのShower Rain(にわか雨)、雲量3~4の雲(SCT=Scatter)が2,000フィート、雲量3~4の雲が4,000フィート、雲量3~4の雲が12,000フィート

協定世界時7日の1時から、風向110度方向から13ノット、視程10㎞以上、空港周辺でのShower Rain(にわか雨)、雲量3~4の雲(SCT=Scatter)が1,700フィート、雲量3~4の雲が4,000フィート、雲量5~7の雲が12,000フィート)

このように解読していく訳ですが、これで分かるのは風や視程や雲の雲底がどのようになるかです。

これを知っていると、時間が経つと風向きが変わることが分かり、上層12,000フィートの雲量が厚くなってくることが分かります。

パイロットは例えば使用する空港の滑走路の向いている方向が060度方向だった場合、風向が80度方向から吹いてくると風上に向かって離陸するために滑走路06を使用します。が、今後予報される風向きが110度方向だとその差となる50度がクロスウィンド(横風)が吹いてくる方向の角度になります。機体の性能によって着陸時に許容される横風の速度と角度がPOH(Pilot Operating Handbook=メーカーの定める機体を運航する時の説明書)で定められているので、安全に着陸できるか出来ないか判断する非常に重要な指標となるわけです。

で、こちらはテニアン。問題無さそうですね。テニアンの滑走路は08を使用することになりそうです。

PGWT METAR 062053Z 07007KT 7SM SCT012 26/23 A2985

PGWT TAF 062058Z 0621/0718 08010KT P6SM VCSH FEW016

FM070100 11011KT P6SM VCSH SCT016 SCT040 BKN120

 

説明が終わると、格納庫まで移動すると、フライトスクールのスタッフOさんが機体にワックスをかけてくださっていました。

近づいて見れば見るほど、ピカピカです。ありがとうございます。俄然やる気が出てきます。

 

すぐにPreflight Check(飛行前点検)を行いました。もちろん傍には試験官Bさんも見ています。

きっとどこかで質問されるんだろうなと、身構えていたら。あれよあれよと最後のPreflight Checkまで終わってしまいました。

あれ?質問がこないぞ。口頭試問やるのではないのでしょうか?

頭の中ではこういう時によく聞かれる、ピトー管や静圧孔がつまった時の計器の動きや、無線機の各種名称、オルタネーターベルトが切れた時の対応、搭載燃料量と使用可能燃料量の違いやオイルの種類や機体に搭載すべき書類など、いつ聞かれてもいいように考えていたのですが、

とりあえず報告しに行こう。

自分:Sir, Preflight Check is completed. We have Fuel Right wing 17gal, Left wing 13gal, Total 30gal.

and Engine Oil remain 6.5 Quart.

試験官Bさん:OK, You go first.

!!!

あれ?!質問無し!!先に乗ってということは、もうフライト行くんだよね?あれ?

この後とんでもない質問でも来るのでしょうか?ため込んでおいて聞くのでしょうか?ああもう!

機体を格納庫から出さなければいけないため、フライトスクールのスタッフOさんにトーバーの牽引補助をいただき、ランプまで機体を手で押して出しました。

機体に乗り込み、所定のチェックリストを進めていくとPassenger Breifingを行います。

試験官Bさんを何も知らない普通のパッセンジャーと見立てて、機体の乗る時の注意事項や救命胴衣の位置、緊急時の脱出方法などを説明していきます。

自分:That's All, Any Question Sir ?

試験官Bさん:No.

ここでも質問なし。ふ、不安だ。。。。

そしてそのままエンジンを回して、ランプコントロールにコンタクトします。

自分:Ramp Control, Cessna 9853L. Two Persons on board, VFR Cross Country to Tinian. 3hours.

Ramp Control:Cessna 9853L, Contact 121.9. Proceed to Ground control.

自分:Roger, Proceed to Ground Control Contact 121.9. Cessna 53L.

おお!ランプコントロールがいつものおじさんじゃない女性の方だ!しかも言い方がとても丁寧、何よりもあのおじさんみたいにフレーズを省略しない!返事しやすい!

チェックライド当日の天候も恵まれたと思っていましたが、なにやら幸先がいいのか?吉兆です。

動き始めます。チェックライドでは安全確認や不安全な行動は即アウトになるので

いつもと同じように、かつ少し慎重にLeft side Check,Right side Checkを行って、慎重にエンジンランナップエリアまでタキシングを行います。

そしてランナップを始めます。

エンジン回転1,700RPMまで上昇。

コックピットの下にある各種スイッチ類のうち、イグニッションが左の位置にあります。銀色で、鍵をさしこむことができます。

ここでRとLと書かれているのはRightとLeftにあるマグネトーのことを示していて、通常はエンジンを掛けるときだけは一番右側の「START」と書かれている位置まで鍵を回すと、スターターがキュンキュン動きはじめてエンジンを回します。エンジンがかかったら鍵から手を離すと鍵は自動で「BOTH」の位置に戻って止まります。5秒程度してもエンジンがかからなければ、スターターはとても壊れやすいので「OFF」位置にもどして時間をあけてリトライ。3回やってもかからなければ整備士さんに見て頂いた方がいいでしょう。1度スターターは壊れると数百万円かかります。

マグネトーとは発電機のことで、エンジンが回っているとマグネトーの中にある永久磁石も連動して回るので電気が発生します。その電気をワイヤーでつながったエンジンのシリンダーに埋め込まれたスパークプラグへ送ります。スパークプラグはシリンダーの中側につながっていて、そのもらった電気で火花をちらし、シリンダーの中に別の穴から入ってきた燃料と空気の混合気に着火。一気に膨張した空気はシリンダーにつながっているシリンダーピストンを押し戻し、エンジン中央のクランクシャフトを回して、プロペラが回る原動力となります。

また、エンジンが通常回っている時にスターターの位置に鍵を回すのだけは絶対に駄目です。一発でアウトです。

過去にニーボードに挟んでいたチェックリストが知らず知らずのうちにずれて、イグニッションに刺さっているキーをスタート位置へ回してしまい、エンジンがボカボカ言いながら空中で止まって緊急不時着をしたというニュースをAviation Safety Networkのデータベースで見たことがあります。

ここは実際に間違ったらこうなるということの実例の宝庫というか、先人たちの失敗をもとに教訓とするためには最適のサイトだと思います。

ちょっと話がずれましたが、

今はエンジンがちゃんとかかっていて、「L」と「R」と書かれた位置に鍵を1回だけ回して左右のマグネトーがちゃんと動作している状態にあるか確認します。というよりも片方のマグネトーにすると、エンジンのスパークプラグはここから電気をもらっているのですが、マグネトーからの電気がGrounding(アースさせていること)で機体に流されるので、スパークプラグのうちの1つは電気が届かないので点火できなくなります。1つしか使えなくなるとシリンダーに2つついているスパークプラグの1つが点火しない状態なので、通常よりもエンジン出力が落ちるのです。でもエンジンは回りますよ。出力は落ちますけども。

片方のマグネトーにしてエンジン回転が100RPMほど落ちたら、それは正常にこの鍵でコントロールが出来ていて、マグネトーとスパークプラグをつなぐワイヤーを正常にGrounding(アースさせること)出来ている証拠になり、機能の確認が出来る訳です。

逆に言えば、エンジンが不調になった時、故障を疑う可能性の1つにこのスパークプラグの不調、マグネトーの不調も考えられるように、より航空機の構造や仕組みを理解していないと、故障に正しく対処できないかもしれません。

なので飛行前に正しく動作しているかチェックをします。

Left Magneto。少しエンジン音がウゥーンと気持ち下がります。エンジン回転も100RPMほど下がりました。問題無し。よしよし。いい調子だ。

これにも許容値があり、片方のマグネトーにした時、150RPM以上エンジン回転が下がると許容値を超えます。セスナ172Pの場合ですので、機体によってその許容値は違うかもしれませんが、172Pとカリフォルニアで訓練した機体のPiper トマホークは確か同じだったはずです。

またLeftとRightのマグネトーを確認する時、左右のチェック時にその下がったエンジン回転の差が50RPM以上あってはなりません。

例えば、どんな時に150RPMよりも下がるのか、低回転を続けているとスパークプラグにカーボン(煤)がつくことがあります。

この150RPM以上下がるか、左右のマグネトーチェックで50RPM以上の差がつくことをMAG Drop Exceedといって、ちゃんとチェックリストでも対処方法が書かれていますので対処は出来ます。

スパークプラグはエンジンが回っている間は火花を散らして、シリンダー内の混合気に点火、燃焼膨張を繰り返してピストンを繰り返し動かすための原動力となるのですが

このスパークプラグにカーボンが被ると、途端に回転が下がるのです。スパークプラグのファウリングといいます。

まあ、カリフォルニアで訓練していたトマホークはとっても被りやすかったので、しょっちゅう下がっていました。チェックリストに書かれている通り、ミクスチャー(混合気)を薄くして、エンジン回転を2200RPMまで上げて、スパークプラグのカーボンを吹き飛ばしていました。

これは混合気に含まれる航空燃料の量を薄めにして高回転かつ高温でスパークプラグに被ったカーボンを吹き飛ばすと、次にマグネトーチェックをすると通常通り100程度、エンジンRPMが下がるようになります。次の点検の時に見て頂いた方がいいんですけどね。

なぜ燃料の混合気を薄くするかと言うと、より高温の混合気燃焼でスパークプラグに被ったカーボンを吹き飛ばすためです。

で、グアムでの飛行訓練では。転校してきた当初、何もかもが怖くて、タキシングものろのろと遅いスピードでやっていた時は、もちろんエンジンも頻繁に低回転アイドル状態にしていたので、セスナでも何回かなったことがあったのです。

ただ3回目から今に至る7回目まで、ランナップ中に150RPM以上さがったことは1,2回ぐらいしかありません。フライトスクールの皆さんの整備のお陰だと思います。

 

続いてRight Magneto Check。

カチッ。

ボボボボボボボボ。ガタガタガタガタ。

自分:(ええええええええええええええええ!!!!ここでええええ!!!!)

エンジン回転計が170RPM近く下がっています、というか今まで経験したことの無い、本当に小さな小刻みの振動があります。

とりあえず、すかさずBOTHの位置に戻すと。回転は元通りになり、なんと振動も元通りです。

自分:(まじかよ。回転下がるだけならエンジン吹かせばいいけど、今、振動出てたよな?とりあえずチェックリスト通りやろう)

MAG Drop Exceedの時のチェックリストに従って、エンジンを2200RPMまで数分間吹かします。

今回は1分半ほど吹かしました。ミクスチャーをリーン(薄め)にしてやります。あまり薄くしすぎるとエンジン止まってしまうので注意が必要です。

チェックライド当日に今まで経験したことの無いことに当たって大変だったという話は色々な方々から聞いたことがありました。

自分も十分に考えられたので、心づもりはしていたのですが、まさか今まであまり起こっていなかったところで起こるとは。

その後再チェックしたら元に戻りました、が、先ほどの振動が大変気になります。

そんなこと今まで、あー思い出してみれば1回だけあったかな?

前回スクールチェックに落ちた時の朝6時離陸の時、あの時も少しあったか。

たしかあんまりプラグの調子良くなかったような。フライト中に片マグ(片方のマグネトー)とかスパークプラグ・フェイルとかになりませんように。

現在は正常に戻っている回転ですが。念のためマグネトーチェックを追加で2回やりました。

問題ありません。不安要素は1つ増えましたが。

この後のTake Off BreifingでGroundにはCross Countryでは無く、Practice Areaへ行くように通報するようにとのご指示が

ありました。そして最初の離陸はShort Field Take Offを指示されました。フラップを10度にセットします。

どうやら試験官Bさんも試験は続けていく意向のようですし、やはり先ほどのは通常のファウリングだったのでしょう。

でも、気になるなぁあの振動。

自分:Agana Ground, Cessna 9853L, South Ramp, Ready to Taxi to Runway 6R via Delta.

We have information November, After airborn right turn departure to Practice Area Bravo.

Agana GND:Cessna 9853L, Taxi to Runway 6R via Delta.

自分:Roger, Taxi to Runway 6R via Delta, Cessna 9853L.

そこからは離陸してフライトチェックです。でも空港から上がると、そこら中に下層雲の雲だらけです。

くっそ!何がSky Clearだ!全然雲だらけじゃないか!時間が少したっただけで気温は30℃を超えて

グアム島のまわりは雲だらけ、高度上げるにもCloud Separation(雲との間隔)を取りながらジグザグに進んで高度を上げていきます。

フライトチェックのメニューとしては以下の通りでした。

1.Short Field Take Off

2.Simulated Instrument Flight

3.Unusual Attitude Recovery

4.Steep Turns

5.Slow Flight

6.Power ON Stall

7.Power OFF Stall そのまま1,300フィートまで降下

8.Turn Around a Point やろうとしたら民家が近くにあるから中断して上昇するように指示

9.上昇中にSimulated Emergency Engine Failure

10.Approach setting

11.Soft Field Landing

12.Soft Field Take off

DiversionやForward Slip、No Flap Landingはやりませんでした。

そしてそれぞれはなかなか安定して出来ていたと思います。前日のK教官のPreparation Flight For Check Rideの方が

3倍は難しくてきつかったです。あの訓練があったからこそ今の安定があるのだなと思ったら、感謝してもしきれないほど

教官にありがとうございますと言いたくなりました。

そして最後のランディング。次のLandingはNormalだからととても有難い一言。でも。風がね。

さっきSoft Fieldで降りた時も気になっていたのですが、あの時のWind Sock(風向指示器)、ちょっとクロス入っていたのです。

他の機体の無線聞いていると。

どクロスです。真横からの風です。さきほど空港に近づく前のWindは06014KT。60度方向から14ノット。

滑走路06Rなら正対風で一番良い条件だと思ったのに。

トラフィックパターン戻ってきて、ショートファイナルでタワーに風を聞きました。

自分:Wind Check.

Agana Tower:140°12KT

うわあお、滑走路06に対して横風成分80°の12ノットか。きっついなあ。

しかし今まで何度この方向から吹いてくる風に対して横風着陸をやってきていることか。

右側のメインギアを先に降ろして、普通に横風着陸をやりました。

タッチダウンポイントがAiming Pointの白線の上に降りた時は「よっしゃ!」と思いました。

が、しかしここで!

 

ガッ!!!!!

試験官Bさんに操縦桿を思いっきり右に傾けられました。

あ、

あ、

あ、

ランディングした後のWind Correctionでヨーク(操縦桿)は常に横風の吹いてくる方向に向けて地上滑走を行うことで

突然の横風強風による機体転覆を防止するのですが。

多分ですが、自分。右のランディングギアから降ろした後、機体の姿勢を水平に戻すため少し左にヨーク傾けてそのままだったっぽいのです。

つまり右からの横風に対して少し左にヨークを向けている危ない状態です。

しかも今、試験官にTake Over(テイクオーバー)されました。

テイクオーバーとは、コントロールを試験官に奪われること。

つまり、危険な行為があったため、コントロールは試験官が持ち、その時点で試験終了となるサインです。

一応右に傾けたヨークは、自分もヨークを持ちそちらに向ける位置で持つようにし続けていますが、これは完全に終わったと

思った瞬間、ブワッと冷や汗が頭の裏筋にわいた気がしました。

試験官Bさん:右の横風の時はこっちね。

自分:はい、すみません。

試験官Bさん:はい、そのまま維持ね。

自分:はい、キープコントロールします。

その後、試験官Bさんはヨークから手を放しました。

Agana Tower:Cessna 53L, Turn right on Delta, Contact Ramp Control.

自分:Turn Right on Delta, Contact Ramp Control Cessna 53L.

とりあえず無事に戻るのが最優先です。気持ちを切らさずにタキシーバックしてランプに戻ります。

 

オフィスに戻ると、試験官Bさんはこれから結果を言うからと奥の部屋に入りました。

続けて自分も入ります。

・オーラルは悪くなく、NAVLOGやWeight & Balanceも良かったこと。

・フライトは常に飛行機をコントロールし続けること。放置しない。ボールが横に飛んでいた。

試験官Bさん:そして最後、横風の時、あれは駄目だ。分かるね?

自分:はい。

試験官Bさん:常に自分の周りの状態を把握する努力は怠るべきではない。さもなければ重大な何かになる。

自分:すみません。

試験官Bさん:気を付けるように。これでデブリーフィングは終わる。

自分:・・・? あの、結果はどうだったのでしょうか?

試験官Bさん:君は今日の試験をやって、自分が合格したと自分で思えるかい?

自分:あー、色々反省すべき点がありました。

試験官Bさん:そうだね、じゃああっちの部屋で残りの手続きをしようか。

 

うっわ、落ちたかこれええええええええええええええ!

でも試験官、さっきから少しニヤニヤしてるんだよなあ。うーん、分からん。

そしてスクールのK教官やみなさんがいらっしゃる部屋に戻り、PCでIACRAに必要事項を打ち込む試験官Bさん。

3ページ目ぐらい進んだあと、ポップアップに出てきた画面にはこう書かれていました。

「TEMPORARY AIRMAN CERTIFICATE」と。

しかしまだ空欄のままです。

今までの人生経験から、ここまで来てもまだ不合格の可能性を捨てきれない私は、多分これが出てきたから受かってるんだろうけど、空欄に「DISAPPROVAL」とか「LIMITATION」とか書かれるかもしれないので、固唾をのんで試験官Bさんが処理し終わるのを見守り続けていました。

今にも口から何かが出てきそうです。ですがまだ、それが喜びの叫びか、絶望のため息か、まだ判断できない自分がそこにいました。

そして、試験官Bさんは印刷された紙とペンを私に渡してこう言いました。

「Sign(名前を書いて)」と

その瞬間、隣で同じく固唾を飲んで見守ってくれていたK教官が「イエス!」と笑顔で喜んでいます。

ああ、間違いない。これ喜んでいい状態だ。そう確信した後は自分も

(Yeahhhhhhhhhhhhhh!!!!!!)と心の中で大絶叫です。ですが、まだその時ではありません。

サインを書き終えて、試験官Bさんに戻しました。すると

試験官Bさん:Congratulations!

自分:Thank you so much Sir!!!

喜んでいいんだと思ってからは、嬉しさのあまり踊りだしたくなるほど体が喜びを表現したくなっていました。

今まで暗いトンネルを何度も進んできて、ようやくこの言葉を聞けて、ようやくこの紙を手にできて、ようやく今までの努力が報われたのかと思うと。

本当に目がしら熱くなります。笑顔すぎて涙が出るほどに(笑)

そこからはライセンスが届くまで1か月から2か月ぐらい、3か月を超えるようならFAAに連絡すること。という注意をいただき

その日の試験は終了と相成りました。

そして以前投稿したスプラッシュバケットでスクールの皆さんにお祝いしていただいたのです。

 

 

【 FAA Private Pilot License を取り終えて】

本当にたくさんの方々に応援、ご支援を賜りました。

改めまして、感謝申し上げます。不肖の私ではございますが、これからも何卒よろしくお願いいたします。

今だからこそ思いますが、あの時試験官Bさんがすぐに結果を言い渡さなかったのは

今ここで合格を伝えてしまうのは簡単だが、合格した喜びで今日のチェックライドのフライトでの反省点を

忘れてしまうのを危惧されてのことだったのかもしれません。

合格を言い渡されるまでの不安のお陰で、今日この投稿も、その時の不安から記憶が鮮明によみがえってきております。

あくまで推測ですが。

今にして思えば、チェックライドのフライトは自分の中で自分に採点を出すのであれば、不合格でした。

 

これからライセンスを持って飛ぶのであれば、もっとより多くの事を教官たちから学ばなければならないと

痛切に感じています。

これからどうするのか。何をするべきなのか。まだ考えは正直まとまっておりません。

ただ、このライセンスを取得するために動いたことで、

今まで自分が持ち合わせていなかったような選択肢が現れたのは確かです。

 

一番最初の会社で、自家用だけ取る。あとはそれから考える。と決めて転職を決意した7年前の行動は

結果として7年後の今、ようやく実を結んだ訳です。

それだけでも自分の人生の中では、この行動は誇れるものですし、経験したことは更なる経験に繋がっていくことができる。

リスクはありました。

 

自費での取得費用の工面、年齢、時間、転職、引っ越し、海外での訓練、家族の理解・協力、職場の理解・協力、長期の休暇、

事故を起こしたら、フライトスクールの転校、新しい訓練機への慣熟、新しい空港の慣熟、新しい空域への慣熟、

分割渡航回数の増加、飛べない天気、台風、グアム常駐試験官の突然の不在、ハワイ試験官とのスケジュール調整依頼、

 

これだけ不安要素があれば働きながらの訓練を途中で辞める選択肢もあったかと思います。事実、最初のフライトスクール転校後に

その可能性を検討しました。

それでも続ける決断をしたからこそ、掛けがえのない貴重な経験になりました。もちろんそれで失った機会もあります。

 

これからもし、同じように訓練を始められようとする方がいらっしゃって、多数のリスクや不安に悩まれていて

このブログをもし、万が一にもご覧になられているのだとしたら

決断することを恐れるなとは言いません、恐れて当然ですし恐れることはリスクを認識する上で大事なことです。

 

しかし、それでも自分にとって本当に価値あるものだと信じられるものなら

その選択は誰に何と言われようとも、遅くなっても少しずつでも進める道が残っているのだとしたら、

選び続けることをお勧めしたいと思います。

やがてそれらがあなたにとって、掛けがえの無い大切なものになることを当ブログウェブマスターは願っております。

自分が今、そうであったように。

 

 

自分のブログなので言いたいことばかり書いてしまいました(笑)

さてさて、今日はここまで。

-チェックライド, 飛行訓練

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