航空救命装備品 訓練前準備 野外飛行(クロスカントリー) 飛行訓練
ソロクロスカントリー飛行訓練に向けて 救命装備品
明日は第5次渡米訓練、第4次グアム渡航訓練の出発日です。
毎度のことながら会社終わりに成田へ直行する訳ですが、ひととおり必要な物はそろってきたのでトランクに詰め込むべきものが厳選されてきています。おのずと省スペース化に成功、満杯だった前と違い少し空きスペースが出来てきました。
と、いうことで次回はソロクロスカントリー飛行がメインディッシュの訓練です。
ことここに至りて、私は泳ぎが得意ではありません。必ず訓練機にはLife Jacket(救命胴衣)とLife Raft(救命いかだ)を搭載してクロスカントリー飛行に行くとはいえ、いまだぬぐい切れない一抹の不安をなんとか解消できないかと思案しました。
ちなみに下の写真ははじめてクロスカントリー飛行に行く前、教官から救命いかだの使用方法を教わった時の写真です。
ここのハンドルを引くと救命いかだが自動で膨張(INFLATE)展開します。ただし、決して機内で引かないこと。閉じ込められて脱出不可能になるからとても危険です。機外に出して使うことです。
他にも、この救命いかだバッグには様々なサバイバル用具が入っています。
たとえばこれ、水です。
注意書きのところの最初の行にはこう書いてありました。
「最初の24時間は病気やケガの時以外、飲んではいけない。その後1人1日2バッグ使用」
なるほど、最初の24時間は人間何も飲まなくても耐えられるからということでしょう。
それと非常用食料の乾パンです。EMERGENCY FOOD RATIONですね。
さらに発煙筒(信号筒)も装備していきます。これがあると無いとでは見つかる確率が全然違いますから。
最後に救急用具バッグですね。俗にいうFIRST AID KITです。
全ての救命用具は包装または防水のためにカバーがされていました。
ただここで考えました。
時間的余裕が無かったら救命胴衣とか装着できないのでは?グアムでのクロスカントリーはほとんどの時間が洋上飛行だ。他のパイロットは単発で洋上飛行している時、Life Jacket着てたりしないのかな?
で、検索してまず一番最初に出てきたのが航空自衛隊のフライトスーツ、今まで耐Gスーツや酸素マスク、ヘルメットに目がいっていましたが。よく見るとちゃんとLife Jacketがくっついています。
また、カリフォルニア州の島へフライトする自家用機の写真。南米エクアドルからガラパゴス諸島へ飛行する小型航空機の写真などグーグル先生で検索してみると出るわ出るわ!
全員とは言わないけれど、島へのフライトしている小型機搭乗者があらかじめ身に着けている例は少なくありませんでした!
グアムなんか島しかない。。。
それともう1つ。
これは2014年、名古屋の航空自衛隊小牧基地での1コマ。フライトスーツ装備着用デモ。
首まわりのが救命胴衣です、それと腰まわりには本人用の救命ボートもついているのだとか。
気になって調べてみたらこちらで作っているLPU-N1救命胴衣というみたいです。「Fujikura」
広大な日本の領海や排他的経済水域を日夜パトロールする自衛隊パイロットに必要なことは想像できます。
洋上飛行するパイロットたちが、すぐさま使えるように装着している訳です。
訓練機のセスナでは座席の下にそっと置いてあります。
座席の下にLife Jacketがあるとはいえ、「これほんとにつけてる暇あるの?」と疑問に思うことは結構ありました。
そもそもビニールにパッケージングされているのです。スクール内で開いたことはありませんが、これ自分の口で空気を吹き入れるタイプじゃないかなあと思います。
操縦しながら装着して空気入れてなんて時間的に余裕ないのでは。下の写真はユナイテッド航空の機内Safety Guideです。
実は所属している会社でこれに振れる機会がありました。
その時の印象として、使いづらい。。。
狭いコックピットであれをつける自身が無い。。。
どうしてくれよう、この不安。。。。。。
(!)
そうだ!買って乗る時につけていればいいんじゃないか!
で、購入しました。
官給品の数十万円の高価なものはもちろん買えません。とはいえ国土交通省認定の正規品救命胴衣は2万円から3万円以上するものがほとんどです。
自分の命にかかわるものに安物を揃えるのは気がひけたのですが。
現実的に評判が良く、ブログなどで実動画も紹介されていたこちらの商品を購入しました。6千円前後の釣り人向けの商品といった感じでしょうかね。
落水時は水を感知して自動膨張する救命胴衣です。また自動で開かなかった時のための手動索もついています。
DABADA(ダバダ) ライフジャケット インフレータブル ベストタイプ 膨張式 救命胴衣 男女兼用 フリーサイズ (オレンジ, 自動膨張式)
購入前に疑問に思っていたことが1つ。
「これ、航空危険物ではないか?」
そうです。膨張するために炭酸ガスボンベがついているのです。高圧ガスですね。
ユナイテッド航空で調べてみると、なんと機内持ち込みまたは受託手荷物とも救命胴衣にボンベ1つ付いたものならOKだと書いてありました。
「ユナイテッド航空 受託・機内持ち込み手荷物 ライフジャケット」
機内に持ち込む奇特な人がいるんだ。と思ったら自分もその1人になろうとしていることに気づきました(笑)
ただし予備のボンベ2個まで。
そして生まれて初めて購入してみた救命胴衣。実際に着てみたり、中の構造を調べてみたりして、説明書を見ながら使い方を覚えてみました。なるほどホイッスルは標準装備なのですね。
このインフレーター部が浸水すると自動膨張が始まる仕組みだそうです。
注意書きには湿気の多いところや水場などで使用すると誤作動があるので注意するように書いてありました。
?
湿気の多いところ?
。。。。。。
あれ?グアム高温多湿じゃないか(笑)
向こうに着くまでに誤作動しないことを祈ります。開いても再利用できますが、ボンベが1本しかないので自分の口で空気を吹き入れるしかありません。備え付けてあるのと結局同じになるわけだ。
無いよりはあった方がいい。ということで持っていきます。
さてさて、今日はここまで。