フライトスクール訪問 航空身体検査 訓練前準備

フライトスクールの調べ方と渡米前TSA手続き等、2016年4月1日以降変更されたFAA Student Pilot Certificate取得方法

2017/01/17

フライトスクールについて調べる方法はインターネット、雑誌、電話、訪問、資料請求、経験者の口コミ評判、航空祭で飛行クラブの人達から話しを聞くの7種類です。1~5番目は比較的すぐ取り掛かれる方法でしょう。社会人として働いている人だとフライトスクールへの訪問は夜遅くか、土日がメインになりますかね。いずれの所も事前に電話連絡を入れておけば快く対応していただけました。逆に売り込みが激しいところもあったぐらいです(笑)
6番目の方法は航空関係会社で運航部門があるところなら聞きやすいでしょう。なければ経験された方のブログなどを参考にすると非常に役立ちましたよ。私はよくパイロットライセンス取得あれこれ さんのサイトと元飛行教官が発信する、航空留学と飛行機のお勉強サイト。 さんのサイトをほぼ毎日見ていました。本当にありがたく拝見させて頂きました。多分見つからなかったら、今でも私はStudent Pilotとして飛べてないはずです。その位大切なことを掲載されています。ただお二人とも書かれていることですが、航空留学や手続き、FAR AIMの情報は常に最新の情報に注意する。つまり自分で最新の情報を確認しにいくことが必要です。

7番目の方法は利用した人の生の声が聴けて非常に参考になりました。特に印象に残っているのが、なぜ飛行訓練するかというのは誰も死なないために訓練するんだ。という言葉はとても心に残っています。

このプロセスに私はこれでもかと時間を掛けました、なぜなら数百万円の出費がかかっており、これらは全て自費でまかなわなければならないという大変貴重な費用となるからです。そして出費は為替レートや原油価格に左右されるので、訓練に行くべきタイミングは円高ドル安の時期。訓練に使うのはピストン機なので航空燃料のAVGAS100LL(アブガス100Low lead)が安い時です。
※AVGAS=Aviation Gasolin

現地訪問にも行ってきました、実際に通うとなればいずれ嫌でも行くのでしょうけども。

1 調布飛行場

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2 但馬飛行場

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3 名古屋空港

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4 グアム国際空港

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5 米軍横田基地

(横田フレンドシップフェスティバル時)
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6 沖縄

沖縄に行く時が一番驚いたのですが、今では往復宿代込みの5万円で沖縄3泊4日が楽しめるツアーが日本航空使用であります。フルキャリアの航空会社でこれなら安い!と思いましたが、LCCなら成田早朝のジェットスターで片道10000円前後、往復23000円前後(安い時でこれ以下も)あることに時代は変わるものだと驚いた記憶があります笑

 

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ここでなぜ横田基地と沖縄が入っているかというと、横田にはYokota Aero clubという民間のFlight clubがあります。昔、自衛官か関係者なら利用出来たという話しを聞いたことがあったので、友好祭に行くついでにAero clubの出し物ブースに話を聞きに行きました。結果は「No」米軍人か軍属、家族の利用のみでした。ですよねー。ほぼ分かってたけどですよねー。機体はC172Mと軍用セスナであるT-41を使用していましたが、いずれもGPS(多分G750のように見えた)でアビオニクスを強化されたグレードの高い機体でした。いいなー。

沖縄は嘉手納基地のテストセンターでFAA(アメリカ連邦航空局、日本でいうところの航空局です)の学科試験が受けられる事を知ったのでその仲介をしている会社を見に行きました。

※黒白ネコ様からのコメントで、こちらのセンターが閉鎖されたとのことです。黒白ネコ様情報提供いただきありがとうございました。

FSO沖縄」です。こちらはフライトシミュレータメインのフライトスクールで、FAAとJCAB(日本の航空局)双方の認証を受けたFTDでの訓練が可能です。なのでログブックにフライトタイムがつけられます。(今知る限りでは双方の承認受けてるのはここだけな様です)ライセンスを取ったらここで特定技能審査ともし可能なら計器飛行証明の訓練を受けようかなと画策しています。さらにこちらでは日本国内でアメリカTSAに提出する指紋採取作業の取次ぎもしてもらえるそうです。沖縄在住のコレクターへの連絡方法はサイトにも掲載されていました。

ここでとても重要なことについて記載します。

現在、アメリカで訓練を受ける外国人Student Pilotは訓練を始める前に必ずTSA登録を完了させ、指紋登録(Finger Print)を終えて、Final ApprovalをTSAからもらってからでないと訓練に入ってはいけないとなっています。このTSA登録はTSAが開いているWeb SiteのAlien Flight Student Programのアカウントを作成してログインすると、登録に必要な記入事項を書き込むフォームがあります。もちろん全て英語で書き込まないといけないので英語が苦手な方は事前に氏名や住所の英語表記の書き方は調べておかなければなりません。特にアパート名や部屋番号の書き方は悩みました。借りていたアパートの名前、日本では自然にカタカナ表記なんですが英表記にするとフランス語なんです(笑)これ通じるのか大丈夫なのか?と凄く不安でした。

この際に顔写真入りのIDデータを合わせて添付して送る必要があります。これはパスポートと国際運転免許証の2つがあれば確実です。国際運転免許証はFAAの実技試験を受ける際、必ず2種類のIDをFAA試験官へ掲示しなければいけないのが現状です。なのでパスポートとあわせて事前に取っておいた方が良いでしょう。身分証明書にもなりますので。さらに正確なパスポートデータの入力など全てのフォームを正確に間違い無く埋めて送信しなければなりません。後は間違いが無いか本当に慎重に確認した後、Submitを押せば終了です。そうすればTSAの審査が始まり、返事は2週間~1か月前後で返ってきます。ここで少しでも間違った情報を打ってしまうと下手すればアメリカへ一生入国出来なくなります。入力にあたって必ず過去5年間に住んでいた全ての住所を正確に入力することが求められます。入力前に役所で住民票を取得して確認した方が良いでしょう。私は神奈川から紆余曲折の末、現在の住所まで4回も引っ越しを経験してきたため調べるのが大変でした。

本来ならば大抵日本のフライトスクールでは、このTSA登録代行サービスまたはサポートがあります。ですが有料な上に高いです。そしてサイトをよく読めばかいてあるのですが本来この登録申請は本人がしなければならないと書いてあるため本来はそのような代行はいけないはずです。よく考えればこれからアメリカに行って免許を取ろうというのに、たったこれだけの事も自分で出来ないようではみっとも無いと思い、自分ですることにしました。無料で出来ますし英語の練習にもなります。
指紋を1度登録してしまえばあとは2年に1回の更新料を払えばずっと有効です。ただ日本国内で指紋登録の委託を受けている人は少なく、NATA-CSのサイトで日本国内で登録している人を探していました。
結局私は関東の大学教授の先生が指紋採取をやっていたので仕事終わりに横浜で待ち合わせて取っていただきました。ただ合流した途端横浜西口のカラオケまで来てと言われた時は結構焦りました(笑)確かに採取するのにカラオケルームはうってつけです。あの機械ははたから見たら物凄く怪しいので。
この時点で米国本土のフライトスクールへの電話やMailの問い合わせは相当数に上っていたため、簡単な英語での問い合わせには慣れてきていました。人間必要に迫られれば必要に応じて学んでいくんだなとしみじみ実感した覚えがあります。ただし、Finger printのコレクターの方々は皆さま本職を持ちながらやっているのでスケジュールは先方の都合をよく確認してからでないといけません。

また、TSA登録と別になりますがアメリカの航空身体検査を受ける時にも同じような登録が必要となります。サイト名はMedExpress、FAAのサイト内にログインページがあります。このサイトのアカウントを作成し、必要な健康情報を正確に登録して印刷。その紙を航空身体検査医のところへもっていかなければ身体検査が受けられません。やはり英語は早いうちに慣れておいた方がこのような事務作業を処理する時に役立ちます。TSAと同じように適当に埋めてはいけません。医療英語がいくつも出てきますが、You Tubeなどに登録方法が掲載されていますので必ず方法は確認してから登録を進めるようにしないといけません。それと登録した後、国際郵便でお知らせが登録住所へ届きますが、必ず保管しておいてください。自分はこれが初めての外国からの郵便だったので少しオロオロしました(笑) 急いで電子辞書を引っ張り出して翻訳していた覚えがあります。分からないこと、知らないことはいつでも調べられるように小型の電子辞書か携帯電話で翻訳サイトをブックマークすると良いでしょう。実際の作業と英語の勉強を同時に進行していくことで少なからず英語力の足しになります。

FAAの3rd Medicalを訓練前に取得していないといけません。いわゆる航空身体検査についてです。私は東京国際空港診療所の菊池先生の所で受けることにしました。この方はFAAのMedeiccal Examinerでもあります。アメリカのが安いと良く聞きますが、なんといっても日本国内の日本人先生にやっていただける程安心なことはありません。お値段は確かにお高めの4万程度です。ちょっと手元に領収書が無いので、確か3~4万の間ぐらいだったと思うのですが。受診する前には必ず予約電話を入れてください。その際にMedExpressの登録が済んでいるか確認されます。値段も聞き取っておくと良いでしょう。間違っても前日に夜更かしなんてしてはいけません。私のように「やっべ、朝間違えてオレンジジュース飲んじゃったよ」と冷や汗書いて待合室で待つことになります(笑)というか尿検査はありませんでしたので完全に私の勘違いですが。ちゃんと検査が終わると1枚の紙が発行されます。「3rd Medical certificate & Student pilot certificate」という証明書です。これは1枚の紙ペラですが、航空身体検査証明と「あなたは今から操縦訓練をしてもよい」という証明書でもあります。最初の検査から5年間有効になりますので絶対に無くしてはいけません。試験を受けられないどころかソロフライトにも出れなくなります。

また、この点についてFAAは2016年の4月1日付で新しい発表を行いました。以後MedicalとStudentは別々の試験官で行い、Student Pilot Certificateは写真付きのプラカードとして発行されることになります。今まで持っていて有効な方は2ドルでReplaceしてもらえるそうです。ただ問題はStudent Pilot Certificateの発行について新しいFAR(連邦航空法)ではこう記載されています。

§61.85   Application.
An applicant for a student pilot certificate:
(a) Must make that application in a form acceptable to the Administrator; and
(b) Must submit the application to a Flight Standards District Office, a designated pilot examiner, an airman certification representative associated with a pilot school, a flight instructor, or other person authorized by the Administrator.
[Docket FAA-2010-1127, Amdt. 61-135, 81 FR 1306, Jan. 12, 2016]

つまりFAAの地方オフィスであるFSDO(Flight Standards District Office)か、アドミニストレイターから認証を受けた試験官、スクールの試験官、インストラクター、へ申請書を提出しなければならない。とあります。なので今までにようにDoctorの所へ行って検診を受けるだけだったのが手間が増えた訳です。もちろんフライトスクールで対応するため、試験官やインストラクターが認証を受けた方がいれば問題ありませんが。これはしっかり確認を取る必要がありそうです。
テロ対策とは言え、年々面倒臭くなると現地のインストラクターが嘆いていました。

ここまで書いてお気づきかもしれませんが、この後1か月半ほどカリフォルニアへ渡米して訓練を受けております。
それについてはまた次回以降の投稿で触れたいと思います。

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