長崎から大阪へ、阪九フェリーの旅
貯まりに貯まった投稿元ネタを鋭意作成中ですが
写真を整理していると長崎から車とともに大阪へ渡った時のフェリーの写真が出てきましたのでご紹介をば。
去年のクリスマスは部屋の中をなんとか26日の搬出日までに荷物をまとめるために、ひとりで部屋の中を駆け回っておりました。1Kなのに(笑)
前回の引っ越しで室内清掃費が辛くも発生してしまった為、今回は最新の注意を
払いつつ、荷造り梱包を進めていました。そんな中で大阪への移動手段を考えていたのですが、以前札幌の丘珠で飛行訓練をしようと考えていた時、渡航方法として検討していたのがフェリーを利用する方法でした。
結局計画案は無くなったのですが、その当時とは違って今回は車を所有している為、カーフェリーがあればと検索したところ、丁度良い塩梅で瀬戸内海航路が北九州の門司(もじ)から神戸・大阪(泉大津)まで運航している路線がありました。
海の揺れに対する抵抗はありましたが、最近の船は性能が良くなって前よりは揺れないように作られているという話も聞いていたので、当日の天候は気になりましたが予約することにしました。
相部屋のベッドならかなり安かったのですが、はじめての船中泊ということもあり個室を取ることにしました。
車で長崎から大阪まで自走の旅も考えましたが、今回は引っ越し搬出したら翌日には大阪で荷物を受け取らなければならないタイトなスケジュール。
その為26日午前に全ての荷物を搬出したその足で不動産屋さんに鍵を返却し、北九州まで高速道路で移動、新門司発17時30分の阪九フェリー「いずみ」に乗船して船中泊。朝06時30分大阪の泉大津港着。そのまま新居まで移動しながら朝マックを取り、午前中にエアコン取付工事に立ち会い、午後に引っ越し荷物を受け取るというスケジュールにしてみました。
そんな時に限って、大陸からは28日を最接近として大寒波が接近。26日はまだ大丈夫なものの、27日から28日にかけては上空5000フィート付近の850hPa面高層天気図の数値予報には-9度線の寒波が入る予想が出ていました。これがもし早まったら。
船に間に合わなかったら、仕方が無いので下関経由で本州に入り、自走で大阪まで移動するプランBを考えていたのですが、どうも途中の高速道路が雪のためチェーン規制やらなんやらが発生する予想が出ていました。
そうなると今度はプランCです。大分まで進出した後、四国へフェリーで渡り、その後松山から高松経由で淡路島へ抜けて兵庫から本州へ入るルートをプランCとしていましたが、プランBとあわせて自家用車を所有してから初めて走るルートでの長距離移動。さらに接近する悪天予想とのことで、
正直自走はやだなぁと考えていたのです。幸い、当日はまだ寒波の動きは予想された通りで、逆に北から南下してくる寒気接近に伴う、下層雲などは4千フィートから6千フィート辺りに見えてはいましたが、車の走行には支障無い晴れの天気でした。ただやっぱり寒くて寒くて(笑)
途中のサービスエリアで小休止。古賀SAというところだそうで、なにかスイーツがやたら美味しそうでしたが、30代の良い大人がそれに舌鼓を打っているような光景はなかなか痛烈なものがあるので控えましたが、ご家族連れの方々にはおススメですよ(笑)
北九州に移動中車のエアコンは燃費を抑える為にOFFにしていたのですが、やはりみるみる減っていく燃料ゲージを見ながら「ひええ!ガソリン高いのにみるみる減っていく!!」街中走行ではありえない減り方を見て懐事情がチクチク刺激されながら走っていましたが、「大阪はガソリンどのくらいなのかなぁ」と北九州まで移動しました。結果、長崎県大村市はリッター156円から159円ぐらいの時でしたが、泉大津に着いて南下した時に見たエネオスの価格表示が136円なのを見て目を疑いましたが(笑)
そうこうしている内に看板が見えてきました。
新門司の阪九フェリー泉大津行きのターミナルに出航1時間15分前までに着いてチェックインする時ははじめてだったので係員さんに教えてもらいながら以下のことをしました。ちなみにチェックインは1時間前までに済ませる必要があるみたいです。
①ターミナル前の車待機列が1,2,3,4,5,・・・と白線で引いてあり、順々に1番から埋まっていく待機列の新しい方へ車を進めて停車、車検証と予約番号を持って受付へ歩いて移動。
②予約番号を伝えると同時に車検証を提示。車の長さが申告通りであることを伝えると、最後にフェリー船内のルームキーを電子カードで渡される。
③出航17時30分に対して、乗船は16時30分から45分の間くらいに始めるそう。この時酔い止めを買い忘れていることに気づき、係員さんに聞いてみると3キロ先にスーパーがあったはずとのこと、最悪17時10分とか15分までに戻れるのなら乗船は出来ると思うとのことで
急いで南側にある橋を渡り、スーパーまで走りました(笑)
酔い止めを手に入れましたが、カプセルの色がどうも某少年探偵アニメに出てくる例の薬のようで一瞬飲むのをためらいました。これ、背が縮んだりしないよね?
そうこうしながら車を待機列に戻すと、一緒に乗船する大型トラックやらなにやらの順番を待って、船内の格納庫まで搭乗橋から自走で格納庫へ移動します。誘導の係員が停止スポットまで手信号で案内してくださいます。
出航して間もなくすると、格納庫は施錠されて翌朝の下船まで入れなくなります。セキュリティ上の理由でしょう。
そして格納庫デッキが3階なので、居室やレストランなどのフロアは4階から6階になります。移動する時はエレベータなどもあります。
入ってみるとカーフェリーというよりはちょっとした豪華客船的なイメージでしょうか?最近の船ってこんなんなってるんだなーというぐらい綺麗な設備です。
ひとしきり船内を見て回ってから、次に見に行ったのがデッキにある救命ボートの位置です(笑)これはもう性格的なもので、非常用装備品がどこにあるかを確かめておきたいと思った為です。
出航してから10分ぐらい経ったころだったかと思います。
船は北側への回頭もそこそこに東へ針路をとっていましたが、ふと右舷側に見慣れた閃光が見えてきました。
白と緑に交互に点灯しています。間違い無く民間空港のAerodrome Beacon(飛行場灯台(ABN))です。
北九州の新門司からだと、すぐそこでした。ちょうど航路がRWY18のFINALを横切る形だったみたいです。一度行っておけば良かったなぁと思いつつ、お仕事の関連で存じ上げている方々もいらっしゃるので、ルートに入れておくべきだったなぁとちょっと後悔。
空港に向かって旗振れしたところで、真夜中の船上で他の乗船客が見たら恐怖しかありませんので、とりあえず軽くこうべを垂れて「ちょっと横を通りますよっと」ご挨拶。
何か見えないかなぁと丁度持っていたデジタル一眼を最大望遠で見てみると見えるのは「東横イン」と書かれているように見える青いネオンサイン(はっきりとは分からず)、それと多分旅客機のビーコンライトらしき赤い点滅?それに、暗闇の奥の方で白い光がグルングルン回っていたので、RWY36にはApproach Light Beacon(進入灯台)がついているみたいです。神戸のRWY27側や長崎のRWY14側にも設置されていて、同じくグルングルン結構な勢いで回っているのですぐに分かります。
踵を返し船内に戻るころには体が冷え切っていました。航行中なので風も強かったので、潮風で髪が気持ち少しベタついた感じがします。とはいえ風は凪いでいると言えるぐらい出航前は吹いていませんでした。そして現在も気になるほど揺れてはいません。歩き始めてしまうとほとんど分からなくなる程です。天気晴朗なれど波低し、といったところでしょうか。ただ揺れる瞬間があります。
船が針路を少し左右どちらかに振る時です。横になって寝ていると、横Gが少し掛かって体が少し傾きます。時間は短いですが、はじめのうちは「おおうっ!」となりましたね。
また居室の中で横になるとエンジンの駆動振動が常時、ウォンウォンウォンと低振動と音が居室で感じられます。これ、熟睡できるかなぁと心配していましたが、なんのことはありません。すぐ寝落ちしました。引っ越しの疲れもありましたが。ただ2時間に1回、ふと目が覚めたので多分音が気になってるんだと思いました。次回乗る時は耳栓も検討したいところですが、非常時には船内放送が流れるので、それを聞き逃すのも嫌だなぁと思いつつ、次回の検討事項といたします。それとエアコンが常時つけっぱなしにしていたせいか部屋が乾燥していました。マスクもあると良いかもしれません。
そんなこんなで船外活動していた時、寒さに耐え切れず船内へ移動。
そのまま大浴場へ行きました。快適でしたが、湯船に入って5分ほどすると、体を洗わずに湯船に入ろうとするおじさまを発見して速攻でベイルアウトしました。くそう。癒しの長風呂を満喫しようと思ったのに。・・・
船内の客層は長距離トラックのドライバーさん5割、2割家族連れ、3割が個人旅行か学生仲間、海外からの旅行客、少数派ですがビジネスマンといった構成に見受けられました。
また一通りの物が船内4階デッキ中央の売店で手に入ります。
そして電波ですが、船内用でWi-Fiがあるのですが、売店でパスワードの登録方法を聞きましたが、なかなか面倒です。そしてとっても遅いです。ニュースサイトのテキスト中心のページならまだ開けるのですが、少しでもピクチャーが載っているサイトは読み込みまでに15分かかったりします。
陸地から離れてくると手持ちのWi-Fiルータの電波は即圏外になります。
またAUの4G電波はある程度離れても電波1、2ぐらいは辛うじて入り続けますが、本州からも九州からも四国からも等距離の瀬戸内海洋上に来ると流石に圏外になります。北九州付近、山口付近、姫島や周防大島あたりに近づくと辛うじて戻りますが。少し距離が空くとすぐに圏外になります。
風呂上がりに部屋にいると、もう1つ展望デッキがあることを知り見てみることにしました。
船の船首が見えます、もちろん夜間航行な為、見えるのは暗闇と瀬戸内海を航走する船舶の舷側灯だけです。ちょっと椅子が固くて座りづらい。
ソファの方が幾分ましでしたが、入ってから30分しても誰も入ってきません。場所的に分かりづらいのでしょうか。段々と冷えてきたので自室へ戻って陸上で買っておいた弁当をむしゃむしゃ。
就寝。
翌朝、といっても冬なのでまだ真っ暗闇の時間ですが、5時ちょうどに船内放送が入ります。この声は確か昨日売店でWi-Fi接続方法を教えてくれた女性船員さんだと思うのですが、22時過ぎには売店は閉店作業していたはず。ここでふと思ったのはクルーの方々はどんなシフトで動いているのでしょう。まさか夜勤ぶっつづけとか?この船の到着予想時間とレストランで食事の用意が出来ておりますとのこと。とりあえず身支度を整えてレストランに移動して朝食をとります。
ゆっくり朝食、という訳にもいかず6時過ぎにはもう泉大津港に接岸していました。いかん!格納庫デッキがとっくに開放されている!
駆け足で自室に戻り、忘れ物が無いか念入りに確認をして下船しました。外は真っ暗です。港湾施設の灯りが煌々と光っているので明るいのですが。
さて、人生初の船中泊の旅も比較的快適に過ごすことが出来ました。
明日に寒波がやってくるので急いでエアコンの準備をしようと思いつつ、
さっきのモーニングだけでは全然足りなかったので、大阪最初の目的地はドライブスルーのあるマクドナルドにナビをセットして走り始めました。
天気が良い日の船旅でしたが、車移動込みの個室で、1週間前の予約とはいえ1万8千円で済んでしまいました。高いとみるか安いとみるか意見が分かれるところかもしれませんが、個人的にはお得だったなという感がありました。
次はもうちょっと早く予約して気温の高い日に楽しめたら良いなと思いつつ、
瀬戸内海カーフェリーのご紹介でした。
さてさて、今日はここまで。