飛行訓練

Unusual Atitude Recovery  ―異常姿勢からの回復ー

2016/12/06

今日はグアム飛行訓練第2回の4日目について投稿したいと思います。

2016.11.25 PGUM LOCAL DAY TRNG FLT & NIGHT FIRST SOLO FLT

PGUM METAR(グアム空港 定時航空気象実況通報)

250538Z(25日協定世界時05時38分(グアム時間15時38分))

WIND(風向風速):080°16Kt

VISIBILITY(視程):10SM(Statute Mile)

FEW020 ※2000フィートに雲量1~2

Temperature 31°/Dew Point 25°

Altimeter(高度計規正値) 2977

 

FLT TIME First 01:06(DAY), Second 0:36(NIGHT)

First FLT T/O:3回、L/D:3回

Second FLT T/O:3回、L/D:3回

Simulated Instrument Flight(模擬計器飛行) & Unusual Atitude Recovery(異常姿勢からの回復) & Touch&Go

First Solo Flight:Touch & Go 3回

今日は日本人教官のK教官と、最初にSimulated Instrument Flight(模擬計器飛行)をしながらUnusual Atitude Recovery(異常姿勢からの回復)を訓練しました。これは昨日の模擬計器飛行を行いながら、教官が途中で操縦を代わり、訓練生は計器も見えない程度に頭を下げ、教官が機体を通常の飛行姿勢とは異なる状態にしてから訓練生に再び操縦を戻します。そして訓練生は計器だけを見て機体の姿勢を素早く把握し、機体を通常のLevel Straight(水平直線飛行)までRecovery(回復)させる訓練のことです。もちろんHoodを被っているので外部の視界はゼロです。

これはグアムに来てからはじめて受ける訓練なのですが、所属している会社の操縦士からは教官がグワングワン機体をブン回すからもしかしたら人によっては気持ち悪くなるかもしれないと教えて頂いたことがありました。

確かAI(Atitude Indicator=姿勢指示器)を中心に回りの計器を見て戻すというのは模擬計器飛行とやり方が変わらないはず。ちゃんとやれるかなあと不安に思いました。

教官「操縦かわります。I have Control」

自分「You have Control」

頭を下げます。途端にブワッ!!と急旋回に入りました。45度急旋回の時よりも強めのGが体にかかるのがすぐ分かりました。

おお!このGは多分初めて体感するレベル!もしかして60度間際までバンク角取られてるのかな?

ちなみに航空機には荷重の比率(Load Factor)にもとづいて機体を壊さないための運動制限があります。例えば今の急旋回の時などは制限される荷重倍数の関係から60度以上のバンク角で旋回してはならないとPilot Operation HandBook (POH)または1986 Skyhawk Information Manualにあります。それ以上の角度で旋回し続ければ荷重限界を超えて翼がもげます。というか色々あって空中分解します。

CESSNA MODEL 172 P Information Manual

SECTION 2 LIMITATIONS(限界事項)

MANEUVER LIMITS(運動限界事項)

This Airplane is certificated in both the normal and utility category.The normal category is applicable to aircraft intended for non-aerobatic operations. These include any maneuvers incidental to normal flying,stalls(except whip stalls),lazy eights,chandelles,and turns in which the angle of bank is not more than 60°.Aerobatic maneuvers,including spins,are not approved.

(この航空機はNormalとUtility両方のカテゴリーについて証明されている。(限界事項が) 航空機にはNon-Aerobatic Operations(曲技飛行を伴わない運用)のためのNormal Categoryが適用される。それらは通常飛行、失速(尾部からの失速を除く)、レイジーエイト、シャンデル、それとバンク角が60度を超えない旋回、どのManeuversも含む。Aerobatic Maneuversとスピンは認可されない)

※Lazy Eights(レイジーエイト)、Chandelles(シャンデル)は機動飛行の一種ですが、それはまたいずれ投稿したいと思います。

※曲技飛行はFAR(連邦航空法) Part91.303に

aerobatic flight means an intentional maneuver involving an abrupt change in an aircraft's attitude, an abnormal attitude, or abnormal acceleration, not necessary for normal flight.

とあります。つまり普通の飛行に不必要な急激かつ異常な姿勢の変化を伴う飛行のことを指しています。

Manualに60°を超えないと明記してあるものですから、50度近くというのはあと少し操縦輪を引けばすぐにバンク限界角度ギリギリといった感じです。教官すごい。

と思ったら旋回しながら上昇してるっぽいです。重力の感覚的に。そして急激に速度が下がってく感覚が瞬間的に「これ失速はいるんじゃね?」とゾクッとしました。

教官「はい、You have Control」

自分「I have Control」

瞬間、すかさず外部が見えない程度にフードを上げ、AI(姿勢指示器)見たら7割がた真っ青かつ変な角度だってゆうかこれ今まさに45度バンクが更に入りかけなんですけど!!!ひええーーー!というかAir Speedが失速手前のWhite Arkまで凄い勢いで針が動いていって・・・うわお

自分「Airspeed!!Full Power Apply!Nose Down!Right Rudder Apply!」

意識するとかそういうレベルじゃないんですね、条件反射です。こらヤバイと。

反射的に全部の動作が自分でも驚く程すぐ出てきました、そこまでするつもりじゃなかったんですが無意識に声を荒げて発声しながらやっていました。

AI(姿勢指示器)は青が空を、黒が地上を指していて、計器の真ん中に自分の機体を模したミニチュアプレーンが据え付けてあります。つまりこの計器が7割がた真っ青ということは急角度で上昇姿勢になっているということです。下の写真の計器の並び中央上段、青い半円と黒い半円が見える計器のことですね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

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取り乱してはいないものの、頭の中がエマージェンシーです。

Unusual Atitudeの一発目がいきなりこんな極な姿勢とは全然想像していませんでしたから。

自分(マジヤバイ!レベル(水平)!とにかくレベル!それとパワー!パワー!パワー!)

こんなバンクつけながら失速したら左翼からスピンに入るじゃないかと、今思えば意外と頭は熱いながらも状況把握は出来ていたなという不思議ハイテンション状態。これは左翼から横滑りしてスピンに入るんじゃないかと反対側のラダーを思いっきり踏み込む準備をしていましたが

徐々に姿勢が安定し、Airspeedが90knotsまで回復してレベルにしました。

なにこれ、冷や汗とスリル満点だよ。。。。どちくしょうと。思った記憶があります。

で、今度はスティープターン(Steep Turn=45度急旋回)を2回うってからの降下急旋回からのRecovery、Gに対して足を踏ん張ってたらフワッと浮く感じがしてすぐにエンジンの回転数が上がる感じと風切り音が高くなって大分加速していると直感。

教官「はい、You have Control」

自分「I have Control!ってうわ!」

今度はAI(姿勢指示器)がやや黒め、降下しながらAirspeedが通常速度のGreen Arkを超えてYellow Arkの最初の方に針が差し掛かろうと加速してますってええ!!

その先にあるのはRed Line(超過禁止速度)です。

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ほとんど条件反射で右手でThrottle(スロットル)とCarburetor Heatを同時にIdleまで引き戻しながら、下の写真だと黒いノブ付きのがThrottle。その左にある正方形のがCarburetor Heat。パワーを通常の範囲よりも下げる時は必ずこのCarbretor Heatを引かなければ行けません。なぜ引くかというと、それについてはまたおいおい投稿していきたいと思います。なんとかAirspeedが135knots超えたあたりから下がり始めました。実に冷や汗が笑

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自分「Airspeed!Cab HOT!Idle!Nose Up!」

いやほんと冷や冷やする訓練だなと、あの時の風切り音はまだ耳に残ってる感じです。

ただ意外と自分ちゃんとRecovery動作をすぐ取れていることに驚きました。ちゃんと訓練受けてて良かった~と心の底から思いましたが、これも訓練なのに緊急性が段違いだなあとまた冷や汗が笑

ちなみにあと何回か模擬計器飛行の針路指示も含めてやりましたが、その時の航跡がこちら。イナラハン村からココス島、アガットまでがUnusual Atitude Recoveryをやったと思われる航跡です。※Hood被っていたので外が見えていません。Guam Departureとの無線交信からかろうじてこの辺りだろうなと思いましたが

20161125_090855000_ios

 

ここで空港に戻り、Touch&Goをして戻る。そして模擬計器飛行に続き、Unusual Atitudeでもお褒めの言葉を頂きました。どこかでSimulator訓練されたり、前の学校でやってましたか?とのことですが全くしていません。強いて言うなら訓練ですが超必死でした笑

教官「じゃあ、次でソロ行きましょうか」

大分夕方になってきたが、なんとかあと1回はLOCAL DAY FLTが出来そうな時間帯。今日はスリリングなフライトしたばかりなのに更に初ソロまで出来るなんてなんてイベント盛りだくさんな日だろうと笑

 

ただまあDAY FLTできるはずが、なぜNIGHT FLTになったかというと、教官が急いで作ってくれた初ソロの技量があるという署名(Endorsement)をオフィスのコピー機がなかなか出力してくれなかったからです笑

あのオフィスの機械に嫌われているのかとも思いましたが、今となっては人生の記念に良い機会を頂いたと感じます笑

初ソロでNight Flightってそうそう聞きませんし。

次回は初ソロについて投稿したいと思います。

 

 

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