AirworkとAirman Certificate Standards
2016/12/12
今日はAirworkについて投稿したいと思います。ですがまずAirworkは何のことか軽くご紹介したいと思います。
AirworkはAOPAの記事ではセスナ152のパイロットからボーイング777のパイロットまで、どんなパイロットの飛行にとっても重要なものとして紹介されています。そしてFAAのCheckRideを受けるにあたり、試験範囲が決められています。それが
Private Pilot /- Airplane -/Airman Certification Standards(ACS)
(出典元:アメリカ連邦航空局)
というものです。詳しく知りたい方はFAAのサイトに「ACSとはなんぞや?」という説明書のPDFが掲載されております。
Student Pilotはこの試験範囲の課目を許容範囲(Tolerance)内で実演し、試験官へ技能がライセンシーとして十分あるのか判定されます。自動車教習所の卒業検定で言うならば「半クラッチにちゃんとなってる?制限速度守ってる?坂道発進大丈夫?後方確認してから発車してる?みたいなものの飛行機に関する項目がたくさん書いてあるのです。
Areas of Operationというところに12課目が設定されていて、さらに課目ごとにTask A, B, C,・・・というように何項目かの細目があります。大まかには下記の通りです。
Areas of Operation
Ⅰ.Preflight Preparation
Ⅱ.Preflight Procedures
Ⅲ.Airport and Seaplane Base Operations
Ⅳ.Takeoffs,Landings and Go-Arounds
Ⅴ.Performance Maneuvers
Ⅵ.Navigation
Ⅶ.Slow Flight and Stalls
Ⅷ.Basic Instrument Maneuvers
Ⅸ.Emergency Operations
Ⅹ.Multiengine Operations
Ⅺ.Night Operations
Ⅻ.Postflight Procedures
このうち、Airworkと呼ばれるものはⅤやⅦの項目です。
Ⅴ
Task A.Steep Turns(45°急旋回)
Task B.Ground Reference Maneuvers(Rectangular CourseとTurns around apointを含むこと)
Ⅶ
Task A.Maneuvering During Slow Flight
Task B.Power-Off Stalls(課目の最低高度として単発機は対地1500Ft、多発機は対地3000Ft以上でやることが重要)
Task C.Power-On Stalls(Power-Offと同じ最低高度であること)
Task D.Spin Awareness
例えばPower-On/Off Stallsとはなんぞやというところですが、簡単に言うと離陸中と着陸中に失速に陥った場合を上空で再現して、失速回復動作を練習するAirworkです。離陸中は通常フルパワーで上がってると思います。着陸中は通常低高度まで降りてさあいざ着陸、Throttle Idleまで絞ってあとはTouch Downまで進入している。というのが通常だと思います。
そんな時に失速に入ってしまった!!
離着陸ともに高度が無いので迅速に回復動作を取らなければ墜落してしまいます。ただ実際に低高度でやる訳にはいかないのでもっと高いところで失速回復動作を練習する訳です。
カリフォルニアで訓練中の動画が残ってたのでご紹介します。
Power-Off Stalls(KWVI Over Monteray-Bay Mission Alt 2,000Ft)
Power-On Stalls(KWVI Over Mos-Landing Mission Alt 2,000Ft)
一番最初にグアムで2社の体験訓練を受けた時、1社の教えてくれたアメリカ人教官が前方視界が海しかない真っ青になるぐらいStallに入れたことがあって肝をつぶしたのですが、今考えればあれは多分特別だったのでしょう。Atitude Indicator(姿勢制御器)ほぼ黒になってましたし、そんなStallの入れ方課目に無いですし笑 めちゃくちゃ怖くて足突っ張っりながらののけぞってました・・・。直後こう言ってみたのですが
自分「I don't like this!!?」
教官「Realy?! OK!! One More!!」
自分「ちょ!?なんで!!?(日本語で)」
その後1回で終わる訳が無いです、3,4回追加でした。お茶目すぎるにも程がありました笑
でもお陰で最後のStallは少し耐性着いてた気がします。
あと、怪我の功名というか恐怖の代償というか、自分が結構こういう動作でも酔わないことが判明したのは良かったです。
これらをCheckRideまでにMasterすることが大前提となりますが、手順を覚えるにはイメージトレーニングが非常に重要になってきます。私は机にヨークとスロットルの変わりにボールペンを握りながら繰り返し繰り返し手順(Procedure)を発声動作しているのですが、なかなか上空でパッと出づらい状況でした。これが早く出来るように(覚えてすぐ出てくるように)なれば飛行訓練時間の短縮、ひいてはコスト削減にも繋がるでしょう。ぶっつけ本番でペーパー見てなんてまず不可能です。
他にも覚えることは山とありますが、1つ1つ身に着けていきたいと頑張る今日このごろです。
次回は飛行中の「鳥」とのニアミスについて投稿したいと思います。