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First Night Cross Country Flight (2017.04.27)

今日はFirst Night Cross Country Flightについて投稿したいと思います。

昼間とは違う状況に、チェックリストやRadio交信を慎重に行っていたと思います。いつも見えるものが見えなくなるだけで、こんなにも操縦が難しくなるものかと、一番最初の夜間飛行訓練で学びました。

今回は100マイル以上離れたSaipanとTinianへフライトしなければなりません。

その日は月明りがほとんど無い新月の日という素敵な条件までついてきました。頼りにするのは島の灯りと星の光りだけです。

その時の動画を作ってみましたが、島以外の洋上では暗闇すぎて画面がずっと真っ暗のままでした。

なので離陸と着陸がメインとなります。

 

これは、もし洋上でEngine Failureを起こしたら。いや、考えるのはやめよう。考えただけで冷や汗が出るかもしれない。

グアムの北東端、Pati Pointを過ぎるとWind Shieldは全面に渡って真っ暗になりました。

もちろん救命装備はLIFE RAFTにLIFE JACKETを積んでいますが、真っ暗闇の海に不時着水することだけは心の底から避けたいと思ってました。

せめて地面のある島に不時着したいです。

 

星明かりが見えないのは多分、上に雲があるからだろうと推測していました。実際何回かかすったと思います。

その度にストロボライトをOFFにしてCarburetor HeatをHOTにします。

こんな暗闇で雲に反射した強力な白い反射光を突然見てしまったら、せっかく暗闇でも赤い光で暗順応させていた瞳孔が収縮して、次に暗闇に戻った瞬間外を見ても何も見えなくなります。

小型機のように夜間有視界飛行方式(Night Visual Flight Rule(VFR))で飛行する航空機は、コックピット内で使用する照明は赤いライトを使用します。

計器パネルのライトも最低限見るのに必要な照度まで落とします。

こんな風に。赤いライトで照らされている部分以外はほとんど計器が見えるか見えないか程度しか光っていません。

 

なぜ赤いライトで見るのか。それは人間の目の仕組みに関係しています。

夜間、白い光を見た後に暗闇の中で目を開けると、目が慣れてくるまでに相当な時間が必要です。

目が慣れてくるまでの時間は色により違いがあり、慣れる時間が最も早いのが赤い光となります。

夜間の山岳登山、夜間の軍隊行動、非常灯などにも使われていることがあると思います。

それと余談ですが夜の旅客機に乗ったことがある方は、地上滑走が行われている時と離着陸時は機内の照明は必ず暗くされることがあるのに気づいたことがある方もいらっしゃるかと思います。あれはもし万が一、事故が発生して緊急脱出しなければいけなくなった時のためです。

夜間の緊急脱出時、もし機内の照明が明るいままだったとしたら、突然暗い機外へ飛び出た乗客の目が暗闇に慣れるまで相当の時間が必要になります。

緊急脱出した野外が海や山などの野外だったとしたら、暗闇に慣れていない目では身動きが取れません。その状態で行動するのは非常に危険です。

窓のシェードも基本開けられているのでは無いでしょうか?外の自然な暗さに目を慣らすためと、緊急時に外の状況把握を行いやすくするためです。

 

とはいえ、夜間飛行に出る前に白い光を見ないようにするのは、現代社会では難しいでしょう。特に都市部のフライトでは街の灯りで雲が照らされてしまう程です。そもそも空港の照明が白ですしランディングライトも白です(笑)

しかし島から島への夜間洋上飛行では完全な暗闇がそこにあるのみです。

まだ月明りがあれば幾分ましなのですが。

 

 

コックピットへ入るまでに施設や他の機体の白い光源を見るような場所を通らなければいけない時は片目を閉じておくといいと言われたことがあります。

電源をONにしていないコックピットで夜間にスイッチ類を見ようとすると、まず暗くて見えませんが暗順応させた目で見るとスイッチの形ぐらいはうっすら見えやすいとのこと。個人差もあるでしょうが。

そういえば海賊が眼帯をしているのは、不意に暗い洞窟の中に入っても、その眼帯側の目で視界を確保して戦うためだとどこかで聞いたような気がします。

大型の旅客機などは毎日IFR(計器飛行方式)運航だから、そもそも外を見ないで計器を見て管制指示に従うだけで飛べる飛行機の方々はどうしているんですかね?興味あります。

 

 

そうこうしているうちに、洋上に出て5分ぐらいで上の雲が無くなったようです。一気に星明かりだけでWind Shield上面が覆われました。

視界の上半分が星空、下半分は暗闇の海といった感じです。Dimmer Lightの光量を下げると、声が出るほど驚くべき星空です(笑)

 

ただよく目をこらすと、行く先にうっすら光っている雲が見えました。雲が発光することは無いので、経路上にあるロタ島の灯りが雲に反射しているのだと分かりました。

これはよくありません。

今回のNight Cross Country飛行の着陸地にロタ空港が入っていたからです。

直上に来てよくよく見ると、島のほとんどが雲に覆われていて、北側部分の雲は厚そうです。街と空港があると思われる部分の雲だけがうっすら光っているようです。

ただし、ロタ空港は今の時間運用時間外となります。でも空港の照明が光っています。

なぜか?

誰かがPCLを使って空港の照明を点灯させてくださったようです。

PCLについては以前の投稿でもご紹介しましたが、要は空港の無線周波数にあわせて何回か機体のRadio発信スイッチを押すと、空港の照明が一定時間点灯されるシステムのことです。なのでPilot Controlled Lighting(PCL)と言います。運用時間外の空港に降りる時、このシステムが備わっていれば着陸することが出来ます。

島や空港近くをフライトしない時は常に暗闇なので、外はあまり見ずに計器のみを見てSpatial Disorientation(空間識失調=上下左右どちらに飛んでいるか分からなくなる)に陥るのを避けるように集中して操縦していました。

というより、今外を見たら機体の姿勢を保てる自身がありません。そのぐらい真っ暗です。

 

なんとか2つの空港を経由してGuamへ帰投した時は、右ラダーの踏みすぎで足が痛かったです(笑)

この時乗っていた機体は、上昇中だけでは無く、水平飛行中も右ラダーを入れてあげないと傾いてしまう癖のある機体でした。

3時間の長丁場でしたが、日中よりは風が吹いていないので穏やかに着陸させることが出来ました。

 

さてさて、今日はここまで。

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