座学 無線航法

無線航法Part2 ーVOR受信機の使い方についてー

2016/12/17

 

前回初ソロについて投稿するとしていましたが、もう投稿していたので今日は無線航法Part2を投稿したいと思います。

前回、無線航法Part1で紹介したVOR(超短波全方向式無線標識)についてもう少し詳しくご紹介します。

例えるなら山登り中に登山者がコンパスで方向を確認するように、飛行機ではVOR受信機を使ってVOR無線標識の設置されている場所の方向を確認したり、自分の機体に位置をおおよそですが確認することが出来る計器なのです。

ただVORの場合はコンパスと違い磁気を探るのではなくVOR無線標識から出てる電波を拾うといった感じでしょうか。

勉強していくうちにVORを手軽にシミュレートできるサイトを発見しましたので、そちらを紹介しながら使い方を見てみましょう。

Aviation Training Tools Interactive Training Aids

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こちらのサイトでは主に複雑な仕組みをインストラクターの方向けで分かりやすく説明できるように色々なProgram型のSimulation Pageを公開している素晴らしいサイトです。

特にProgramをスタートさせると赤い機体カーソルはドラッグアンドドロップで動かすことができ、かつ連動してVOR計器のCDI(真ん中の棒)やTo/From Indicatorなどが実際に動くという、動かしながら仕組みを学べる構成となっています。

たとえばVOR SimulationのProgramをスタートさせると、最初にこういう画面が出てきます。※フラッシュプレーヤーがいるのでご注意を

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赤い飛行機が自分の乗る飛行機

右下のパネルが周波数をセットするNavigation Radio Panelです。なんとこれ、マウスをスイッチ類に近づけると+と-のマークが出てきてON/OFFや周波数のセットまで再現できるので使っててとても面白いです。

そして右側に寄せてある2つの丸い計器が上からDG(Directional Gyroscope=定針儀)とVOR(VHF Omni Directional Radio Range=超短波全方向式無線標識)受信機の計器です。DGは機体の進む針路を示し、VOR受信機は機体がVOR無線標識からどの方向にいるのかを指し示します。

DGは360°のうち何度の方向に機体が向いているかを見る道具と分かりますが、VORはどの方向にいるのかを示すと言われてもいまいちイメージが難しいと思います。どういう風に動くんだと。なので上に書いたProgramを早速スタートさせてみます。

 

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Navigation Radio Panelのスイッチを入れました。サンプルとして示されているROCKVILLEのVOR周波数の112.5が右側のPanelに表示されています。こちらの枠は「NAV」と枠外に書いてあるようにNavigation用の無線周波数を合わせる窓です。

そして反対側は「COMM」とありますが、これはCommunication。つまり無線交信するための無線機の周波数を入れる窓です。管制塔との交信などに使う無線機の周波数用です。

このNavigation側の窓の周波数を使えばVOR受信機はVORがどの方向にあるかを指し示すということです。使える位置に周波数を移動させます。というのも今はSTBY(スタンバイ)の方の枠に入っているので使うにはUSE(使用)の枠に112.50の周波数を合わせればVOR受信機が112.50の周波数を拾います。真ん中に黒い双矢印のサインが入った白いスイッチを押すことでSTBYとUSEの切り替えをすることが出来ます。

これは実機に同じタイプの無線機がつんであれば同じ操作方法になります。ということでポチッとな

 

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STBYに111.50が、そしてUSEに112.50が入りました。これでVOR受信機はVORからの電波を拾います。

では飛行機がVORからどの位置にいると、VOR受信機の表示はどうなるのでしょうか。かいつまんでいうとVORの方向によって真ん中の針というか棒がウインウインと右やら左やら動いて教えてくれる仕組みですが、見てみないと分かりません。ということで

1 飛行機の正面にVORがあるパターン

2 飛行機の後ろにVORがあるパターン

3 斜め前方にあるパターン

4 斜め後方にあるパターン

この4つについて真ん中の針というか棒の動きを見てみたいと思います。ではまず

 

1 飛行機の正面にVORがあるパターン

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真ん中の針というか棒がまったく動きません、そして計器の中の右側に「TO」「FR」とあります。これは

自分の飛行機がVORに向かっている状態 = 「TO」

自分の飛行機がVORから離れていっている状態 = 「FR」(FROMが省略表示されています)

という表示になるように表示されるようになっていて、今まさに「TO」の方に白い三角形が出て「今がTOだ!」とパイロットに教えてくれています。これがVORを通りこすと「FROM」側に白い三角形が出てくることになります。VORが前にあるのか後ろにあるのかを教えてくれるということですね。

 

2 飛行機の後ろにVORがあるパターン(離れていっている状態)

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VORを通り越させてみました。今度は「FROM」側に白い三角形が出てきましたね。しかし相変わらず真ん中の針というか棒が中心から動きません。ということでこの針というか棒が動くパターンを見てみたいと思います。

 

3 斜め前方にあるパターン

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針というか棒が動きました。ちょっと言い回しに疲れたのでここで正式名称をご紹介します笑

この針というか棒はCDI(Course Deviation Indicator=直訳するとコース誤差指示器?)といいます。CDIが左端に寄せている状態、つまりVORはそっちの方向にありますとパイロットに伝えています。かつ「TO」に白い三角形がついているということは左斜め前方にVORが位置していることを示しながら、自分がVORへと進んでいるのではなく、VORがある側の方向へと進んでいることを示しています。VORに直接向かっているならCDIは真ん中を示すはずですし。

ということはこのまま進み、VORの真横を通り過ぎた時点ではどうなるかというと。

 

4 斜め後方にあるパターン

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VORを通り過ぎて、今度は左の方向に持っていきました。VORは「FROM」側に白い三角形が入り、CDIはVORのある方向の右側へ寄っています。

という風に使いたいVORの周波数をセットすれば、VORのある方向を「TO」/「FROM」IndicatorやCDIの寄り方で教えてくれます。

ただVOR受信機を見ていると何やら意味深なアルファベットが

「OBS」?

これは・・・おっともう寝ないと明日の仕事に差し支えますね。まだまだ使い方はたくさんあり、VORで自分の飛んでいる位置を確認する方法などもありますが

ということで次回の投稿は無線航法Part3について投稿したいと思います。

 

 

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