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Flight Computer(航法計算盤)Part3 ― 燃料消費の計算について ―

2016/12/21

今日は前回投稿したFlight Computer(航法計算盤)Part2の続きを投稿したいと思います。

前回の投稿でご紹介したE6B Flight Computerで出来ることのうち1、時間 2、速度 3、距離に関しては終わったので今回は燃料消費率の使用例をご紹介したいと思います。

早速ですが燃料消費量は飛行機、特にアメリカのものは燃料の単位をガロンとして見ています。それとリッターですね。

重量重心計算の時はポンドに変換して計算しなければならないのですが、給油の時はガロンかリッターですね。

ただPOHにはガロン計算で性能表示や燃料が積める量の表示があるのです。

 

さて、今訓練に使用している機体がCessna172Pという機体です。

この機体は通常の燃料タンクなら片側の翼に21.5ガロンずつ燃料を積めます。

両翼なら満タンで43ガロンですね。

ただ使えるのはそのうちの40ガロンです。この使える燃料のことをUSEABLE FUELといいます。

ということはこの40ガロンのうちで、飛行をまかなわなければいけません。

ではいつ、いくら、どのくらいのパワーで燃料を消費するのかが非常に重要になってきます。

「Unusual Atitude Recovery ー異常姿勢からの回復ー」でも限界事項の説明で出てきたPilot Operating Handbook(POH)にはこの172Pという機体が巡航するの時にいくら燃料を消費するのかという表がのっています。

CRUISE PERFORMANCEというページで日本語に訳すと巡航性能ですかね?外の気温が何度で、気圧高度がいくらで、エンジンの回転数を示すRPM(Revolution Per Minute)が何回転の時にパワー(BHP=Base Horse Power)が何パーセント、速度(KTAS)

巡航速度が10,000フィートで外気温が標準大気の気温15度だった場合、ここでエンジン2300回転、ミクスチャー(燃料の混合比)をリーン(Lean)つまり薄くしてエンジンが規定の出力をちゃんと出せる状態にセットします。

すると性能表どおりの(実際多少のズレはあるでしょうが)パワーと速度、そして燃料消費率が得られるのです。

ここで前述したとおり、この燃料消費はガロン計算します。GPH(Gallon Per Hour=1時間あたり何ガロン燃料を消費するか)の数字は毎時6ガロン消費というものがあります。

なら毎時6ガロンの巡航速度で30分後は何ガロン?20分後は?10分後は?と知りたい時にE6Bの「60RATE」表示を60にあわせます。ここで対数表示として利用するので0を読まずにこれで6ガロン消費という風に読み取ります。

ということで参考写真がこちら

60RATEを外周の数字列60に合わせました。

合わせた上で外周の数字列がガロンの燃料消費率として読みます。

読みづらいので赤丸をつけてみましょう。

1時間で6ガロン、内側の数字列を時間列と読むと30分に対応する外周の数字列は3ガロン、20分で2ガロンとなりますね。数字ピッタリ合っています。

という風にE6Bを使って燃料消費率をすぐに出すことが出来ます。

本当対数表示で計算尺作ってこの小ささにまとめた人には敬意を払いたいです。とても便利です。なんだか回をおうごとに賞賛し続けていて、会社のステルスマーケティングかい?と疑われましたが違います笑

さてさて、次回の投稿は

5 気圧高度とTAS(真対気速度)と密度高度、真高度

6 風と対地速度ととるべき偏流補正角

7 ノーティカルマイルとスタチュートマイルの変換

8 US GallonとImperial Gallonの変換

9 QuantityとWeightの変換

10 Cross Wind Table

のうちのどれかを投稿したいと思います。

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