PGUM FLT ① Part2 2016.1016-17
今日は前回書き損ねた1回目のフライトの反省点の残りを書き出してみようと思います。
それと晴れた日が17日しかなかったので、写真やウェアラブルカメラの映像を一部ご紹介。やっぱり曇りより晴れが良いのです。
2016.1016
PGUM(グアム国際空港) LOCAL FLT TRNG - Traffic Pattern
Takeoff:5回/Landing:5回
FLIGHT TIME/ 54 分
TOTAL FLIGHT TIME/ 45時間18分
・トラフィックパターンで風に流されていたので、Wind Correction Angle(WCA)をしっかり取ること。あと目標物を決めてまっすぐ飛ぶ意識を。
※トラフィックパターンとは空港の周りをこんな風に回って帰ってくる経路のことです。それぞれの経路には名前が付いています。
出発経路:Departure leg(またはUpwind leg)
第一旋回経路:Crosswind leg
風下経路:Downwind leg
第二旋回経路:Base leg
最終進入:Final leg
(出典元:アメリカ連邦航空局 Airplane Flying Handbook)
滑走路は常に風上に向かって離陸、そして風上に向かって着陸するように運用されます。その理由は
①風上に向かって離陸すれば、風の力を受けて早く上がり高度も稼げる(飛行機にとって高度をとることはとても重要)
②風上に向かって着陸すれば、風の抵抗を受けて短い距離で着陸出来る
つまりそうすることが効率的なのです。なので風に直交する点をCrosswind、風下に向かう経路をDownwindと呼びます。
BaseはTraffic Patternの長方形の短辺にあたるから、だったかな?
Traffic Patternはなんのためにあるのか?それは離着陸機の交通整理のためです。なので先行機を降ろす、または先行機との間隔をあけるためにHold(待機)を指示される場合はその場で360度旋回して時間を作ってからPatternに入り直したり、遠方から入ってくる航空機はDownwindに45度の角度で進入して降りるように指示されたり、管制指示が無くても管制塔が無い空港でもTraffic Patternはあります。
そんな時は飛んでいる飛行機が自分で自分の場所と高度、この後のIntention(意図)を無線で発信して他機との間隔を調整)で交信しながら離着陸するようにします。カリフォルニアでの訓練空港はNon-Tower空港(管制塔が無い)だったので全部これでやっていました。
写真はグアム国際空港の管制塔、Agana Tower(アガナ タワー)です。VHF無線周波数:118.1Mhzで交信して離着陸その他もろもろの許可をもらいます。
訓練機なんかは離着陸の訓練(Touch&Go、Stop&Go、Short Field Takeoff/Landing、Soft Field Takeoff/Landing)などの訓練をTraffic Patternを何回も何回も回りながら練習するため。このPattern何周もしてから空港に戻るだけなんてのもあります。
とはいえ風はいつも一定の方向から流れてくる訳ではありません。
なので流れてくる方向と風速を加味して、Traffic Patternの経路に風向風速分の修正角を入れたHeadingで飛ばなければ風に流されてしまい経路上を飛ぶことは出来なくなります。なので常にTowerやATISの風向風速は気にしながら飛行しています。
さて次の反省点は
・地上でTaxing中も風向をよく確認し、風が強い場合にはエルロンを操作して風上側に対して適切なエルロン操作を行う。
これは強い風によって主翼が持ち上げられたり、尾翼にあたる横風作用で機首が振られないようにするため。ここで仮に右前方からとても強い風が吹いてきていたら。何もしなければ強い風が翼に揚力を生み、かつ主に風が当たる右翼を持ち上げようとする力になります。
しかし右翼エルロンが上がっていれば強風が吹いても右翼上面を流れてきた風は上げてあるエルロンに当たって上へ流れていきます。つまり右翼を押さえつける「下げ」の力となり右翼持ち上がりに対して「抵抗」することになります。
この右前方からの強風は同時に垂直尾翼にも当たるのですが、風見鶏の効果と同じで強風のため垂直尾翼が左に押し流されると、反対に機首は右に振れている状態です。この時、右翼エルロンを上げる措置を取っているということは左翼エルロンは反対に下げ舵の状態です。
その状態で右前方からの強風が左翼エルロンに当たると「抵抗」が発生します。もちろん少なからず機体やエンジンの影に隠れていない左翼側にも風は当たりちょっと揚力が生まれるかもしれませんが強風がメインで当たっているのは右翼です。左翼の比ではありません。では左翼エルロンが下がっていることで何が起きるのか?それは風が当たることで「抵抗」を生み出しています。
何に対しての抵抗か?それは垂直尾翼を左に振らせることで機首を右に振れさせようとする右前方からの強風に対して、左翼エルロンは「抵抗」の役割を果たすのです。右じゃなくて左に振れさせようとする力が生まれている訳です。と言うことから地上滑走中は風向に対して操縦輪(ヨーク)を向けます。ただ地上滑走中もチェックリストや無線交信をしていると慣れていないとどっちに向けるのだったか混乱していました。そんな時、絶対に間違えない覚え方を教わりました。
「常に左手だけでヨークを操作している訳だが、親指をサムアップした時、風向に親指の先を向ける方向が正しい曲げ方です」
右前方の強風:親指の先が風向に向くのは右に曲げる時
左前方の強風:親指の先が風向に向くのは左に曲げる時
ということだそうです。今ではもう慣れてしまったのであまり意識していませんが、いざ混乱するとこの覚え方1つ知っているだけでも楽です。
後ろからの風が強く吹いている時は逆になります。後方からの強風の時は親指の向く方向は風が吹き抜けていく方向。つまり風下側を指す方向にヨークを曲げるのです。たとえば右後方から風が強く吹いている時の作用は?まず主に風が当たる右翼はエルロンを下げておく必要があります。(風がエルロンに当たれば翼の上面に流れていき、押さえつける作用が生まれる)ここで1つ注意しなければいけないのが後方からの強風の時、エレベーターはDownにします。
少し話が逸れましたが反省点に戻ると
・着陸のフレアの時、ラダーでセンターにアラインさせ、風向きへのエルロン操作を意識して入れること。横風着陸の時。
・Air Speedが早すぎて着陸の時少し浮いたり、バウンドしている。早すぎると接地しない。もしバウンドが高くなったら絶対にヨークを押して着地しようとは思わず、すぐさまパワーを入れてGo Aroundすること。ポーポイズになる。
C-172PのNormal Landing SpeedはFlap30°で65Kt(ノット)です。※1ノット=1.852km、65Ktで120.38km
そしてLandingする際、TouchDownの瞬間に少しStall Warning Horn(失速警報音)が鳴りかけぐらいでそっとMain Wheelから降ろすのが良いそうです。
※ポーポイズとは、高速かつバウンドが高くなったまま再接地するとバウンドが連続して止まらなくなる連成運動のこと。連続して衝撃が発生するのでCrewへの衝撃はもとより機体が何度もダメージを受けてコントロール不能になり破損してしまう。脚や機体や翼が折れたり。2009年に成田空港で着陸失敗したフェデックス機事故の事故原因の1つとして挙げられています。あとウィンドシア(風向急変)も原因だったんではないかと。
・普通のバウンドへの対処はパワー少し入れて、バックプレッシャー入れて保ちながらそっと下ろす。パワーで吊るように。
・着陸の時、Nose gearは重力で少し伸びている。なのでフレアはもう少し多めにしないと3点着地ぎみになる。(接地は必ずMain gearから)
・DownWindでトリム合わせはパワーを先に合わせてから。先にトリム合わせるとパワー入れた時トリム入れた分大きく振れてしまう。
・ATCとの交信、RWY6Rと6Lの聞き間違えていた。
・Taxing中のBrakesは必ずPower Idleに引いてから。
・FinalへApproachしている時、高さを修正しようと機首を下げた時、Vfe(最大フラップ使用速度)を超過しそうになっていたので注意。
・Forward Slipの翼を傾ける方向が逆。PowerはIdleで、Flapは多くても10度。(基本は使わない) Air Speedの調整はPitchで。
流石に7か月ブランクが開くとこんなになるのかと思いました笑
いやいや、あんまり笑っていられない。けどしょうがないので1つ1つコツコツと直していきたいと思いました。後ろ向きでは何も進まないので建設的に、前向きにがモットーです笑
さて、次回は写真をまじえて実際のフライト。晴れた日のグアムの空を投稿していきたいと思います。